部屋の中での宝探し実験

 

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ある心理学の実験がありました。

 それは部屋の中に隠された宝(コインなど)を探させる実験なのですが、
被験者は宝がなんであるかを知らされていません。

 ではどうやって宝を見つけるか? というと、部屋には数人の
「誘導役」がいて、合図を出すことで見つけてもらうわけです。

 最初の実験では、誘導役は被験者(宝を探す人)が宝のないところに
行ったり、関係のないものを触ったりすると「ブー!」とブーイングを
出します。

戸棚の前に行くと「ブー!」、冷蔵庫を開けると「ブー!」、
とにかくブーイング。
 この実験では、被験者は徐々に萎縮して動けなくなり、宝を探せなかった
人もいました。

 次に行われた実験では、誘導役は被験者が宝のあるところに近づくと
「パチパチパチ!」と拍手をします。

 窓際に近づくと「パチパチ!」、花瓶に触れると「パチパチ!」という
具合で拍手が響きます。

 この結果、実験を受けた被験者は全員宝を探すことができました。


●ゲームをプレイする対価

 この実験でわかったのは、

1・禁止だけだと被験者は選択肢がだんだん見えなくなり、最後には
動けなくなった

2・賞賛を与えると、被験者は早く宝を見つけることができた

ということでした。

 ゲームでもそうですが、例えばアクションゲームで
プレイヤーをおとしいれる仕掛けばかりが多くてギャーギャー
プレイヤーキャラが叫ぶだけになってたり、
RPGでせっかく話を進めたのに、希望もなにもない鬱屈した悲惨な
展開にばかり話が進んでいくと、プレイヤーはなにをやっても
「罰」ばかり与えられている気になってしまい、それだけで
「ほんっとにつまらないゲーム!」の烙印を押されてしまいます。

 ゲームは現実への物質的な対価がない。

 しかし、精神的な対価はあります。

 それはゲーム内での「賞」であり、「賞賛」です。

 ゲームはプレイヤーが達成したことに対して「賞」もしくは「賞賛」を
与え続け、引っ張っていくほうがよい。

 これは「じゃあ障害はいらないんだ」ということではないです。

 越えるべき障害は必要です。
 障害を越えたところに、達成感があるからです。
 なにも達成しないのに「賞賛」はありません。

 障害を越えたら、「賞賛」はそれ相応に大きなものであったほうがよい。

 シューティングゲームでは敵をサクサク撃破できるタイプが好まれます。

 RPGも敵をサクサク倒してガンガン勝利を積み重ね、アイテムが
モリモリ拾えるほうが嬉しい(いいアイテムがモリモリ貰えるのとは違う
ところに注意)。

 越える障害を、小目標にしましょう。
 小目標はステージをクリアしたこと、話を進めたこと、レベルを
上げたこと、必殺技が成功したこと、なにかが「できた」ことなどです。

 ゲームの始めから終わりまでを小目標で段階的に区切り、
達成したところで「パチパチ!」と拍手をして誘導していく。

 そうすれば、最後までプレイヤーを導くことができます。


●褒める文化

 思うのですが世の中、なにかを達成しても「そんなのできて当たり前」で、
達成できなければ怒られる。

 これはブーイングしかないのと同じですね。
 賞賛は少ないけれど、批判は多い。
 昔と比べ、「どうせ」「結局」「無理」「不可能」という言葉を口癖にした
「萎縮人」が増えた気がします。

 トルストイは世界的な文豪だったが、ジャーナリストの痛烈な批判で
作家活動を辞めてしまった。
 彼から生まれたであろう名作は、そこで途絶えてしまった。
 そんなことを思い出しました。

 意欲的に勉強しよう、仕事しようと思う人が減ってるのは、
こういう世の中の風潮に原因があるのかもしれません。

 世の中はゲームとは違うので、そう単純に考えられないでしょうが、
人を批判する前に自己批判をして、もっと人を「褒める」ことに焦点を
当てた文化が広まったなら。

 「宝」を見つけ、いろんなことを成し遂げる人が多くなるのではないか、
と思ったりします。


●前回のメルマガで

 「左回りの法則はわかったけど、最初の話はどういう意味だったの??」

という方がおられました。
業界以外の人だとちょっとわかりづらい内容でしたね。
どうもすみません。

 ということで、ここで少し説明したいと思います。

 ゲーム業界だけではないと思いますが、ゲームの仕事には管理の階層が
あって、

 プロデューサー(製作者。複数のプロジェクト管理をする人。お金を出す人)

    ↓

 ディレクター(ゲームの方向性を決め、仕事を円滑に進める役)

    ↓

 プランナー(ゲームの具体的な内容を考える人)

    ↓

 プログラマ(ゲームを構築する人)
 グラフィッカー(絵を作る人)
 コンポーザー(音楽を作る人)

 という指示の流れで、管理されています。

 もちろん上からの一方的な指示ではなく、作業工程のすり合わせなど、
プラン(計画)を現実に変えるための話し合いが相互に行われます。

 で、前回の話では、プロデューサーが間をすっ飛ばして、グラフィッカーの
仕事を直接やろうとしたので、「こちらのプランもあるそれはダメっす」と
なったわけなのです。
 資金を出してるとか、そういう発言力の強さも絡むので、やりとりが
なかなか難しかったりします。

 ということで、説明でした。

 ではまた次回!

 

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