世界観とゲームシステムが同じ「感情」の実現を目指すことによって、
ゲームは相乗効果的に面白くなる。
感情を動かすために、ゲームシステムは作られる!
では、恐怖という感情を作り出すためのゲームシステムとは、
どういうものになるでしょうか?
ここで、以前出てきた「VAK」の話になります。
●恐怖の感情を作り出すVAK
以前にもお話しましたが、人間はVAKを主に使用して、自分の外部の
世界を認識しています。
Vとは視覚、Aとは聴覚、Kとは触覚のことをいいます。
まとめてVAKというわけです。
人間はあと2つ、味覚と嗅覚の感覚を持っていますが、これは
使用する頻度がVAKに比べて低いので省略します。
人間の感情というものは、実はこのVAKから主に作られます。
考えてみると当たり前のことですよね?
人間が外部世界の情報を自分にインプットするには、これらの感覚器官を
使うほかないですから。
その感覚器官から感情が作られるというのは、いたって自然、というか、
自明なことです。
ではこれを踏まえて、恐怖の感情をプレイヤーに感じてもらうには、
どうすればいいでしょうか?
どういうゲームシステムを用意すればいいのか?
...そうです、恐怖を感じるためのVAKを、ゲームシステムの中に
盛り込んでいけばいいのです。
Vは視覚。
恐怖を感じる視覚情報があります。
これは、あなたの記憶の中にありますね?
見たときに思わず「怖いよう!」と思った記憶です。
思わず緊張したその状況を覚えていますか?
テレビで見た恐怖映画なども、参考になると思います。
Aは聴覚。
恐怖を感じる聴覚情報があります。
これも、あなたの記憶の中にあると思います。
恐怖を感じる音、私が記憶に残っているのは、とあるテレビ番組の
収録中に入ってしまった幽霊の声。
うおっ! 思い出すだけで怖くなってきました(汗)。
Kは触覚。
恐怖を感じる触覚情報があります。
これも、あなたの記憶の中にあります。
私だったらバスルームの排水溝に溜まっている髪の毛。
これを触っただけでもう恐怖です。
映画でよく出るこの髪の毛の恐怖は、こういう感覚からきている
のかもしれませんね。
ただしゲームには触覚を出力するデバイスが今のところ振動デバイス
だけなので、なかなかこれをゲームで表現するのは難しいと思います。
考え方を変えれば、コントローラのボタンをどう押させるか(触らせるか)、
DSのペンをどう使わせるかも、触覚情報として考えられますね。
さて、システムとは構造のことですから、あとはこのVAKを
どうゲームに盛り込んでいくかです。
ここでヒントをひとつ書くならば...。
構造とは、ある結果(ゲームデザインの場合なら、ある感情)を
効率よく導き出すために作り出した、「流れ」を定型化したものです。
わかりやすくいえば、感情を感じやすいような「流れ」ができるよう、
構造を作るのです。
VAKとは、その流れの中の重要な要素です。
物語も、結局は似たようなもので、ある感情を感じるように構成
されたものです。ここにも「流れ」があります。
「セコンド・メソッド」にどれも「フロー」とついているのは、
結局のところ、この「流れ」が感情を作り出すために最低限必要だからです。
システムがなんのために作られるか、どう作るのか、なんとなく
わかっていただけたでしょうか?
では、最後に、ゲームが持つ世界観の特殊性を説明したいと
思います。
なぜ、こうまでもゲームの世界は、プレイヤーの心に危険なまで
残るのか!?
それを説明します。

コメントする