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●グラフィッカー(デザイナー)

 今回はグラフィッカーのお仕事です。


 グラフィッカーはデザイナーとも言われます。
 余談ですが、海外ではデザイナーとはゲームデザイナーを指し、
グラフィッカーのことはアーティストと呼ぶそうです。

 

グラフィッカーは、ゲームの見た目を作る仕事をする人です。
 見た目は非常に大事です。見た目だけでゲームの買う買わないを決める人は
大勢います。


 だから、グラフィック次第でゲームの評価が大きく左右されることも
しばしばです。逆に見た目だけで売れることもあります。


 ゲームには「世界観というパッケージを売る」という部分もあります。
 なぜかというと、先のことにも通じるのですが、自分の趣向に合った世界観を
持ったゲームを買う、という人が大勢いるからです。


 ですから、ゲームの世界観とグラフィッカーが作る世界観の調和は、
ゲーム製作において非常に大事な要素になってきます。


●作業の内容

 ひとくちにグラフィッカーといっても、いろいろな役割分担があり、
人によって作るものが全然変わってきます。

 今現在、おおよそ以下の分担があります。


・2Dイメージ原画(原画マン)
・2Dキャラクタ
・2D背景
・2D画面まわり・アイテム等小物
・2Dエフェクト
・アニメーター

・3Dフィールド
・3Dキャラクタ(モデル)
・3Dオブジェクト(小物やフィールドにある物体)
・テクスチャ

・3Dモーション
・3Dエフェクト

・ムービー

・ウェブ
・FLASH(ウェブサイト)


 細かく分けると、ゲームによって、壁担当、木担当、アイテム担当など、
それこそクオリティを上げようとすればどんどん専門性が上がっていきます。


 しかしながら、人員予算の都合もあり、たいていは2D、3Dなどの大きな
くくりで兼任することが大半です。
 規模の小さなゲーム会社ほど、兼任の数は上がっていきます。


 グラフィッカーの仕事はこれだけでなく、ゲームフィールドなど、
専用のツールをプログラマが作り、それによるマッピング作業などが
発生したりもします。


 どの分担につくかは、それぞれの人の得意、不得意や意向によって
変わります。たいていは、個人の意向が尊重されますので、自分がしたい
仕事があったらどんどん主張していくのがいいでしょう。
(主張しなければ会社都合で割り当てられます)


●求められるスキル

 グラフィッカーの仕事はセンスありきとよく言われますが、それは
常に自己の中で磨くものであって、仕事の中で求められるのはやはり
スピードです。


 少ない時間でいかに質の高いものを作るか。


 ただ、最初にあるのは質です。スピードではありません。

 いくらスピードが早くても、質の低いものを量産していたのでは
意味がありません。結局それが全体の評価に繋がってしまいます。


 まず質ありきで、質の高いものを作れるようになる。

 ある程度のクオリティを維持できるようになったら、次はその質を
保ちながらいかにスピードを早くできるか。


 私の知り合いのベテランのモデラーは、ポリゴン数の決まった
キャラクタのモデルを、いかに短時間で作れるかを自分自身への
チャレンジとして課していました。


 私が一緒に仕事をしていたころに「1時間で全体モデルとボーン(骨)
まで、納得のいくレベルでできるようになった」と言っていました。


 それは数年前の話ですから、今ではもっと早く作れるようになって
いるでしょう。


 スキルアップは、こうした「短時間チャレンジ」だけでなく、例えば
手の動かし方を早くするとか、なるべくマウスを使わないで
ショートカットだけで操作ができるようになるとか、いろいろな方法が
あります。


●質の上げ方(加速学習)

 私自身はグラフィッカーは本職ではないので、専門的なことは
書けませんが、どの職業にも通じる「3つの質の上げ方」をここでは
挙げようと思います。


 これは他の業種にも応用できますので、参考にどうぞ。


1・モデリングする

 モデリングとは、ポリゴンのモデルを作ることではなく、
「プロと型を合わせていく」ことです。


 つまり、達人の技を盗む、ということです。


 私は昔個人でゲームを作っていたころ、ドット絵を描く必要に
迫られ、ドット絵を描いていました。


 もともと絵を描くのが好きだったので苦ではなかったのですが、
やはり市販ゲームのプロのドッターが作ったドット絵は「なにか」が
違いました。


 そこで、その違いを調べることにしました。
 市販のゲームのキャラクタデータを吸い出して、調べたのです。


 また当時ゲームセンターでバイトしていたので、カプコンなどの
ゲームキャラクタをテストモードで表示して調べました。

 

 すると、興味深いことが分かりました。

 

 当時、ドット絵はパレットと呼ばれる、16色の色セットを使って
描かれていました。1キャラクタにつき16色しか使えなかったのです。

 私は適当に選んだ色を16色にセットして使っていたのですが...。


 プロは違いました。


 2~3つのグラデーションを16色の中に割り当てて、贅沢に
色を構成していたのです。

 こうするとキャラクタに使われる全体の色の割合は少ないのですが、
非常に綺麗に見えるんですね。


 「ゼビウス」のキャラクタを知っている人なら、その意味が分かると
思います。


 私はさっそくその技を盗んでドット絵を作り始めました。
 そうするとやはり綺麗さが段違いに違うんですね。


 こんな感じになりました。
 1キャラクタにつき2色ほどのグラデーションしか使っていないのが
わかると思います。
http://www.n2gdl.net/magazine/vol31extra/rplusr.htm


 こういうふうに、プロと自分の違いを見て、プロの技を盗んでいく手法を
「モデリング」と言います。


 モデリングの手法は、それこそポリゴンのモデリングでも、テクスチャの
描き方でも、モーションの作り方でも、なんにでも応用ができます。


 あなたもプロの技を「モデリング」してみてください。


2・区別が多く出来るようになる

 いきなりですが、あなたは雪には何種類あると思いますか?

 普通、サラ雪、ボタ雪、など、4種類くらいは言えると思います。

 スキーのインストラクターになると、8種類くらいは分かるそうです。


 しかしエスキモーならどうでしょう? 雪の国に住む、雪の
エキスパートです。


 エスキモーの言葉には、雪を表す言葉が50種類以上あるそうです。

 つまり、それだけ雪を区別できている、ということです。

 

 プロになればなるほど、多くの区別ができるようになります。

 

 区別とは何か? というと...。
 最初はまず専門用語をすべて理解することから始まります。


 グラフィッカー用語にもさまざまなものがありますね。
 わからない用語がなくなり、会話の中でなんなく使えるようになると、
そこそこのレベルにあると言えます。


 また、プロは分からない用語が出てくると、必ずそれを1つ1つ
調べています。すぐにgoogleで検索するのです。


 そうしてわからない用語をなくして、どんな会話でも、文章でもすぐに
理解できるようにしているのです。


 それから、「方法」の区別。
 例えばあるグラフィックを作りたいと思ったときに、どれだけその
グラフィックを作る道があるのか?


 ツールでいうなら、ある機能を使うと、どういう結果になるのか?
それを知っているということです。
 実際に使ってみて、それを知っているのです。


 そしてそれらを組み合わせて使えば、こういう結果になりそうだ...と、
予測できるようになります。


 その組み合わせを多く予測できるようになればなるほど、作れるモノの
引き出しは多くなりますね。


 こうしてプロは自分の引き出しを増やしているのです。


3・反復

 モデリングにしろ、区別にしろ、体に覚えこませるには反復が必要です。
 つまり、練習です。
 数をこなすことで、実際に身につき、使えるようになっていきます。


 人の記憶は、多くの感覚器官を使うことで、より記憶に残りやすく
なります。


 ただ本を読むだけ、視覚を使うだけだと、1週間後には8割忘れます。
 書く、つまり触覚を使うと、若干の改善がされます。


 一番いいのは、「人に教える」ことです。


 ホワイトボードに書き、自分でしゃべるので自分の言葉が耳に入り、
教えている人の顔が目に入る。
 これは、ほとんどすべての感覚を使っています。


 また、教えることは「感情」も入り混じりますが、感情は人の記憶の
「インデックス」になります。
 感情的になったことは、人の記憶に残りやすいんですね。


 怒ったり、恐かったり、初めて彼女ができたりなどのことは、あなたも
よく覚えていますよね?


 普段、面と向かって人に教える機会というのはあまりない人が多いと
思いますが、自分が覚えたいことを、人に教える感じでブログの日記に
書いたりするだけでも、けっこうな効果があります。


 私の知り合いには、自分が覚えたいことがあると人に電話して、


「人に教えないといけないことがあるんだけど、人にうまく説明できているか
どうか知りたいので、聞いてもらえる?」


 と、「教えるシミュレーション」をする人がいます。
 こうすると覚えるのが早いわけです。

 


 ということで、「質の上げ方」でした。

 

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