2・他の分野からノウハウを持ってくる方法

 

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質問を頂きました。

 ありがとうございます。


> ゲームのしくみが、ゲーム以外の分野から面白い要素を抽出して
> ノウハウとしているように、ゲーム以外の制作という観点から
> ノウハウとして生まれてくるものはありますか?
>
> また、「面白さ」を研究するにあたってのポイントは何でしょうか。

実は、他分野からノウハウを持ってくる手法は、非常に
パワフルな方法で、およそヒットを飛ばしている人というのは、
たいてい他分野からノウハウをってきたり、ゲームと全然関係ないところから
アイデアを出しています。

 例えばゲームのアイデアというと、ゲームの中から抽出することばかり
考えがちで、ゲームをたくさんプレイすれば、ゲームのアイデアは
たくさん湧いてくると考えている人が多い。


 しかし、実際は似たような作品ばかり作ることに繋がってしまって、
縮小再生産になってしまうことが多いわけです。

 これは多様性の喪失につながり、ゲームのバリエーションがなくなって
いくことに繋がります。


 つまり、現状のような「シリーズものの氾濫」や、「音楽で言うと
リミックスばかりの作品が粗製濫造されている状態」が生まれてしまう
わけです。

 これだと、つまらないですよね?

 新しい、想像力を刺激するものが出ないわけですから。


 そうではなく、もっと本質を捉えなければいけない。


 クリエイションというものは、確かに商業的にはシリーズものへの
期待を実現して、大きく利益を上げる必要がありますが、
そればかりではなく、新しい「シーズ」つまり種を生み出すために、
新しいものを研究する必要もあるわけです。

 そうでないと、結局飽きられ、淘汰されてしまいます。


 では、他の分野からどうアイデアを持ってくるのか? ということですが。

 例えば、「体感ゲーム」を連続してヒットさせてきた鈴木裕氏。

 「ハングオン」から始まって、「アウトラン」「スペースハリアー」、
最近では「バーチャファイター」などなど、多くの作品をヒットさせました。

 鈴木氏は「体感」というところに焦点を当てて、それが成功しました。


 もともと鈴木氏はサーファーで、体感する遊びについてこだわりが
あったそうです。

 それを、ゲームに持って来れないかと考えたんですね。

 初期「バーチャファイター」の頃を思い出すのですが、格闘ゲームで
キャラクタがダメージを受けたときに「痛そう」と思ったのは、
このゲームが初めてでした。

 これこそが「体感」の目指すところだったわけです。


 ノウハウというものでもありませんが、この一連の体感ゲームは「感情」を
導き出すものとしてのゲームにおいて、新しい感情を導き出すことに
成功したんですね。


 また、これは有名な話だと思いますが、ポケモンの田尻氏の話。

 氏はポケモンのおおもとの発想として、

「ドラクエのアイテムで、自分が欲しいアイテムを友達が2つ持っていた。
それを、自分のところに持ってこれればいいのにと思ったのが、ポケモンの
始まり」

 と言っています。

 この発想は、ゲームをプレイしていたから出た、といえばそうなのですが、
多くの人が


「ゲームを分解してゲームのアイデアがないか」


と考えているのに対して、田尻氏は


「ゲームをプレイしている人がどう思ったか」


に、焦点を当てています。

 これは、人の心理に焦点を当てた結果、そういう欲求があったと気付いた、
ということですね。

 そしてその欲求をゲームに持ち込んだら、みんなその欲求に従って
ゲームをプレイするのではないか...、と考えた。


 ゲームが先にあって、人の心理があるのではなく、
人の心理があるから、ゲームがある、という逆の発想だったわけです。


 こういう発想であれば、どこからでも、ノウハウや発想の仕方は
持って来れます。


 人の欲求は、どこにでもあります。

 なにかを買う、なにかを選択する、という日常の行為にだってあります。

 なんらかの理由があってそれを買うわけだし、なんらかの選択基準が
あるからこそ、それを選んでいるわけですから、そこにはなにかの
欲求があるわけです。


 そこにある人の「心理」を、ゲームに持ち込んだら...と考えれば、
ほかのどんな業界にも、ヒントはあります。

 要するに応用するわけです。


 さらに、ほかのの業界にある、成功したノウハウ、成功するセオリーを
ゲームに持ち込んだらどうか? 応用したらどうか? と考えれば、
まだまだゲームデザインに持ち込めるノウハウは山ほどあると
考えられますね。

 私はたまたまマーケティングの分野をゲームデザインに持ち込もうと
していますが、ここにも、面白いノウハウは山ほどあります。


 集客のノウハウは、ネットゲームに人を集めるときに使えそうです。

 商品の単価を上げるノウハウは、ゲーム内のアイテムの価値を高く
感じてもらうのに使えそう。

 商品をリピート購入してもらうノウハウは、ゲームのファンを増やす
ために使えそうです。


 こういうふうに、「応用」の方法は無限大です。


 ほかの業界を調べて、どういうことが成功に繋がったのか? それを
考えると、いろいろ面白いですよ。


 私はそういう意味で、各業界の一線を走っている人の記事をよく
読みます。


 例えば、芸術の分野で今売り出している村上隆氏。

 彼はオタク+芸術という組み合わせで、世界で活躍しています。

 その変遷を調べると、彼がなぜ成功したのか? 世界に通用する
芸術家になったのか? それがわかってきます。


 そしてそのことは、ゲームデザインの世界でも十分応用が
効かせられます。


 ということで、ほかの業界にも目を向けてみる、業界の第一線を
走っている人を調べて、成功の要因を考えてみることをお薦めします。

 

 最後に、「面白さを研究するにあたってのポイント」ですが、
ずばり


「感情」


です。

 人はなぜゲームを面白いと言うのか?


 それはゲームに感情を動かされるからです。


 人はゲームに感情を動かされることを、暗に望んでいるんですね。


 そして感情を動かされれば、他の人にもそれを伝えようとする。

 ほかの人にもその感情を感じてもらって、その状況を共有したいと
思うからです。


 あなたも面白かったことを人に伝えたこと、ありますよね?


 だから、人に伝えたくなるほど感情を動かすものを作ること、
私はそれに焦点を合わせています。


 もっと具体的に言うと、


「人が感情を動かされるまでの流れ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 それに焦点を合わせています。

 感情を強烈に動かされるゲームを実現すれば、それは必ずや
口コミを生み、多くの人が感情を動かされたくて、ゲームを
買うからです。


 そういうムーブメントを起こすことが、1000万本の需要が
あるゲームを作る必要条件なんですね。


 

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