
ヒットするゲームデザインのために、どういうゲームをプレイすれば
いいのか。
質問メールをいただきましたので、まずはご紹介。
> さて、私が悩んでいることは企画を立てる人はたくさんゲームをしたほうが
> いいかということです。
>
> 最近、企画を考えてないころに比べて、どんなメディアにも製作者の
> 「感情を動かす仕組み」をはっきり意識できるようになりました。
> 特にパソコンで動画を見ることが増えたと思います。
> でも、それに比例するようにゲームをする時間がめっきり減ってしまいました。
>
> ゲームは楽しんでやるには結構なのですが、そこから何かを学ぶとなると
> 時間の割に得られるものが少ないと思うのです。
>
> 最新のゲームの概要やシステムは結構ホームページで見れます。
> しかし、ゲームをして得られる(しないとわからないといったほうがいいかも
> しれません)知識や参考にできることも多いだろうし...という感じで悩んでいます。
>
> わかりにくい文章で申し訳ありませんが、単純に時間の使い方として、
> 「プランナーは時間がかかってもたくさんのゲームを経験したほうがいいのか」
> ということでお願いします。
質問ありがとうございます。
感情を動かすしくみ、深いですよね。
私もテレビや映画、小説によくそれを感じます。
一度気になりだすと、もう何を見ても自分の感情がどう動いたか?
再認識したくなる。
職業病みたいなものですね。
ゲームをする時間ですが、私もドッと減っていますよ(笑)。
それでも最近は「スタークラフト」とか「ピクミン2」とか
「メトロイドプライム」とか、引っ張り出してきて遊んでいますが。
あとDSもよくやります。
「テトリス」はよくハマってます。
ゲームをたくさんプレイすればすればそれでプランナーとして成長するのか...
というと、それは違うわけで。
確かに、ゲームをたくさんプレイすれば、ゲームに対する造詣は深くなります。
完成度が高いとはどういうことか? ということがわかります。
人気のあるゲームとそうでないゲームの違いがわかるようになる。
それから、一度ゲームにハマれば、そのハマった感覚を実現すればよいという
こともわかる。
なので、一度は通る道だと思います。
しかし、プランナーとして抜きん出るには、人と違うことをしなければならない。
ゲームをたくさんプレイしたり、ゲームにハマった経験がある、というのは
ゲーム開発者なら、誰でも経験することなんですよ。
だから、当たり前なわけで。
そして、「面白さ」を把握するのは、けっこう簡単なんです。
ただ、それを実現するのがたいへん。
私がよく使う言葉なんですが、
インプット2割、アウトプット8割にしよう
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
という言葉があります。
情報を仕入れるのは、けっこう容易なことです。
でも、それをアウトプットに使うために整理したり、考えを深めたり
するのはけっこう時間がかかる。
そして実際にゲームにするのにはもっと時間がかかる。
インプットとは、ある意味楽なんです。
だから、インプットに「逃げて」しまう人って多いんです。
本を読んだり、
ゲームは特に、プレイしていると楽しいですからね。
お薦めするのは、ゲームをプレイしたり、映画を見たり、なにか感情を
動かされる出来事があったら、どういう流れで感情を動かされたか、
それを吟味し、ネタ帳にまとめておくことです。
それは違うジャンルで応用できるし、なによりゲーム構造の
「パターン」を認識する上で役立ちます。
パターンをつかむのって、非常に重要なんですよ。
売れているゲームのパターン、共通項、それをつかみ取る作業は、
本質をつかみとる作業です。
外見が変わっても、ジャンルが変わっても、その本質さえ間違わなければ、
面白いゲームができる。
任天堂のゲームは同じゲームシステムのパターンを持ったゲームが多い。
これを知っているだけでも、大きく違います。
アウトプットは、あと企画書を書くことですね。
ネタ帳を見ながら、こうしたらもっと面白いゲームができるんじゃないか、
と、1~2ページの企画書にまとめていく。
もっともっと面白いゲームを、と、追求していくのがプロ。
ネタを書き溜めて、いつでも形にできるようにしておくといいと思います。
プランナーはアウトプットとして、研究結果を実際に文字に落とす作業を
すると、成長しますよ。
蛇足ですが、私が取り入れている学習法に「加速学習」があります。
前に書いたかもしれませんが。
これはコリン・ローズという人が開発した学習法です。
人は通常、覚えたことを24時間で8割忘れ、48時間で9割忘れます。
書きながら学習すると、若干改善されます。
しかし、これだと入れたあとから抜けていくようなものですね。
人の学習効率は、本をただ読むだけでは非常に悪いわけです。
しかし、学んだことを8割覚えておく方法がある、としたらどうでしょう。
これは、実際にある方法です。
どうすれば、覚えたことを8割、覚えていられるか。
これを知ったらもうほかの学習法はできませんよ。
では、どうするのか?
それは、「人に教える」ことです。
学んだ知識をシェアする、ということです。
人は、五感を多く使ったほうが、記憶力が上がります。
教えるということは、文字を書いたり、喋ったり、考えたり、身振りを
したりさまざまな感情を使います。
だから記憶力が上がるんですね。
企画書に書く、ということも、うまい伝え方を考えたり、絵を入れたり、
人に見せて評価してもらったり、人に教えるためにさまざまな工夫を
しますから、多くの五感を使います。
アウトプットすることは、覚えたことを自分に強くインプットすることにも
なるんですね。
ということで、インプット2割、アウトプット8割が、お薦めです。
今回はこんなところで終わりにしたいと思います。

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