
ゲームも商品ですが、その商品を大勢の人に認知してもらうには
どうしたらいいか? ということを、書いていきます。
これ、かなり奥が深いです。
マーケティングは、一般には「広報活動」とか「営業活動」と思われている
かもしれませんが、そうじゃないです。
マーケティングとは、宣伝、集客、販売のすべてのフェイズを含めます。
つまり、「売る」行為全部です。
商品を知らせて、興味を持たせて囲い込み、そして販売する、という、
企画・開発のあとのことを、すべて行なうわけです。
アメリカのインディ・ゲーム市場は、この「売る」というフェイズについて
けっこう積極的に議論されていますが、日本ではその土着性のためか、
ほとんど語られることがありません。
とくに作品性が取り上げられることの多いゲームについては、皆無、
と言っていいでしょう。
商品がよければモノは売れる。
わけじゃない、というのは、あなたも気づいていることだと思いますが、
じゃあどうすればいいのか? といわれると、戸惑ってしまう。
それが現状だと思います。
商品が「ある」ということを知らせて、そしてどう「いい」のか、
というところを購入見込みのある人に知らせなければ、その商品、ゲームは
この世に存在しないも同じ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なんです。
売れる、以前に、存在しないことになってしまう。
どんなに面白いゲームができても、ないものと同じなんて、悲しい以外の
なにものでもない。
だから、「売る行為なんて...なんか商業的」なんて馬鹿にしたり、
忌み嫌ったりしないでくださいね。
大事な活動なんです。
ゲームという文化が広く認知され、単なる暇つぶし以上になるためにも、
マーケティング活動というのは必要になります。
それから、いま同人ゲーム、インディ・ゲームを持っていて販売して
いたり、これから販売していきたいと思っているあなた。
それから、「個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ」を購入し、
eBook販売で創作活動生活に入るぞ! と意気込んでいるあなた。
http://www.n2gdl.net/bookshop/indy/index.html
マーケティング活動なくして同人活動なんてありえないし、ましてや
eBook販売なぞありえません。
絶対に知っておくべきことです。
特に、ゲーム会社で営業や販売を担当しているあなたには、必須。
きついようですが、商品がよければ売れる、なんて言うのは「逃げ」の
発想です。
本当によい商品だという自負があり、ぜひ大勢の人に遊んで欲しいと
思うのであれば、多少強引にでも買ってもらうべきだと、私は思います。
それが世の中のためになるのであれば。
実際、ソニーは広告だけで売ってしまってた部分がありましたよね。
ゲーム画面がTVCMに出ないこともあったりで(笑)。
ホントにいいゲームであれば、それをやってもいいと、私は思います。
ということで、マーケティングについて、まずは基礎から。
●マーケティングの基礎
一般にマーケティングとは、簡単な公式を基礎に始まります。
この公式がすべての始まりです。
マーケティングは、最終的に「売上」という数値に結果を集約します。
社会認知、が最終的な目的でもあるんでないの? という人も
いるかもしれませんが、それは「イメージ広告」と言って、大企業がよく
やる大金を使った「ブランディング」活動のことを指しているのだと
思います。
そのブランディングも、結局は売上を堅固にするための活動です。
で、その売上は、どういう公式で導かれるのか、というと...。
売上 = お客の数 × 商品の単価 × 平均リピート購入率
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この数式におさまるわけです。
これ以下でも、これ以上でもないんですね。
売上を構成する要素は、
1・お客の数
2・商品の単価
3・平均リピート購入率
この3つです。
どんな業界でも。
だから、マーケティングで集中すべきは、この3つの数字です。
注目して欲しいのは、この式がかけ算になっている、というところです。
どれか1つだけでも0になると、売上は0になります。
購入してくれるお客がいないと商売になりませんし、単価が0だと
いくら販売しても売上にはなりません。
リピーターが0だと毎月の売上が立ちません。
だから、マーケティング活動は、すべての数字を上げることに
集中しなければいけないわけですね。
お客を増やす。
商品の価値を上げて、単価を上げる努力をする。
継続的に買ってくれるよう、工夫する。
この3つの活動が必ず必要なんですね。
マーケティングの超、基本です。
そして、このすべての計算がかけ算になっている、ということは、
もう1つのことを意味します。
それは、複利計算になる、ということです。
例えば、あなたがインディ・ゲームを販売していて、見込み客が
1000人いて、商品が3000円、あなたのゲームを継続的に買ってくれる
率が50%だとしましょう。
すると売上は、
売上 = 1,000 × 3,000 × 0.5 = 1,500,000
になりますね。
150万円の売上です。
こういう売上予測が立つだけでも、企業としては安心しますね。
販売計画が立てられますから。
この売上を上げるのに、非常に困難な活動が待っているように思うかも
しれませんが、売上を上げる方法は、3つしかない。
そう、
お客を増やす。
商品の価値を上げて、単価を上げる努力をする。
継続的に買ってくれるよう、工夫する。
これだけです。
仮に、それぞれを10%上げたとしましょう。
売上 = 1,100 × 3,300 × 0.55 = 1,996,500
それぞれを10%上げただけで、収入は33.1%もアップしました。
25%上げれば、
売上 = 1,250 × 3,750 × 0.625 = 2,929,688
収入はほぼ倍増しましたね。
この3つの数値を意識するだけで、収入を2倍、3倍にする
方法が明らかになるわけです。
あなたがインディ・ゲームを作っているとしたら、この3つの
数字をいかに上げるか、その方法に注目すればいいわけです。
●ハウスリストを集める
「売る」ことにおいて、集客することはまず最初にやるべきことです。
それに関連して、ビジネスをする上で、最も大事なことを説明します。
それは、「ハウスリストを集める」ということです。
「ハウスリスト」とは、要するに「顧客台帳」です。
お客さんの名前、EMAIL、住所などの個人情報のリストですね。
これを集めることが、ビジネスにおいて、非常に重要なことです。
というより、これなくしてはマーケティングはありえない、と言っても
いいでしょう。
ハウスリストさえあれば、例えば大震災が来て会社が火事になって
なくなったとしても、そのハウスリストに対して再び商品を売れば、
会社を立て直すことができますね。
いわば、ハウスリストは会社の生命線なわけです。
自分の会社で作った商品を売ろうとしている会社で、このハウスリストを
集めないのは、考えられないことです。
無論、1000万本売れるゲームを作る時も、同様です。
商品の購入率は、普通の広告であれば、1%ほどです。
広告を見た1%の人が、商品を買うわけですね。
100人に1人買うわけです。
なので、ゲームを1000万本売るには、10億リストがあればいいと
いうことになるわけですが、これは非常に遠い目標に見えますね(笑)。
いったいそれだけのリストを集めるのに何年かかるんだと(笑)。
もちろんできないこともないですが、北米、欧州のほかに、インド、
中国を視野に入れる必要があります。
多国語対応ですね。
実際、1000万本売れているゲームは、非常に多くの言語に対応
しています。
私も1000万本売るときは、多国語対応を視野に入れます。
しかし、インディでそれだけやるのは、少し厳しいですね。
時間もかかります。
英語圏だけを対応するなら、まだ行けそうです。
そこで、自社でハウスリストを集め、ファン化することを考えます。
あなたのゲームの熱狂的なファンを作ることができれば、購入率を
50%以上まで高めることも可能です。
これは実際に実例がありますし、中にはリストの70%以上が購入、
という例もあります。
50%だと、2人に1人が買うわけです。
すると、リストは2000万リストで済みますね。
10億リスト集めるよりは楽そうです(笑)。
これでもまだ多いと思う人がいると思いますが、リストを集める方法は
多様です。
「無料のオファー」を提供したり、「口コミ」を利用するものも
あります。
特にゲームは、強烈に「感情」を動かし、人を中毒化するほどの
メディアなので、非常に強力な「口コミ」効果を発揮します。
リストの範囲外で相乗効果的な集客を見込めるんですね。
これについては、長くなるので別の機会で説明しますが、
日本ではカプコンが意図的に口コミを起こすようなマーケティングを
一時期展開していたことがあります。
日本のゲーム企業は、「○○クラブ」などの名目で、リストを
集めていることが多いですね。
「バイオハザード」などのヒットは、このようなマーケティングの
たまものである、ということも、ひとつ付け加えておきます。

コメントする