企画書の書き方 サンプル編

 

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ゲームのしくみのほうに、「今後の参考のために、新田さんの企画書をぜひ
見せてください」というメールがよくくるのですが、昔書いた企画書は守秘義務が
あるため、公開できないんです。

 自社開発なら、当時の会社の社長に電話して「企画書公開していい?」とも
言えるんですが、ほとんどの仕事はクライアント(依頼主)がいて、その
ほとんどが今まさにゲーム業界の中枢にいるようなメーカーばかりなので、
おいそれと企画書をみなさんにお見せできない状況です(苦笑)。

クライアントの中にはもうなくなっちゃった会社もあるんですが、
そういうのをホイホイ出してしまうのも信義に関わるので、やらないことに
してます。

 没った企画書...はほとんどないんですが、数少ない没企画書も捨ててしまって
ない状態です。

 ということで、私が新しく書き起こした企画書があればいいんですが、
そういうのも今のところ作ってない。時期的に。


 少なからず走っているゲーム開発はアジャイル化してたりするし...。

 あ、私のところでは、これまで主流だった最初に企画書や仕様書を全部
作って、それに沿って開発を進める、いわゆる「ウォーターフォール型」で
仕事をしてなくて、アジャイル開発という、ある程度企画と仕様をまとめ、
実際に開発し、それを評価してフィードバックして仕様を進めるという
タイプの開発をしています。

 興味のある人は、ウィキペディアで「アジャイル開発」と調べてみて
ください。

 アジャイル開発のほうが、それぞれのスタッフにかける負担が少なくて
済むというメリットがあり、特にゲーム開発では少しずつ作って面白さを
確かめるといういわゆる「プロトタイピング」という手法も同時並行で
進むので、有効です。


 話が逸れましたが、要するに私が出せる企画書は今ないということです。


 で、困ったなあと思ってたところに!

 メルマガ読者の山中さんが、読者さんのためになるなら、実際に就職活動で
使った企画書を公開してもいいです、と言ってくださいました。

 山中さん、ホントありがとうございます!


 ということで、今回は山中さんの企画書に墨入れをしていく形で、
企画書を実際にどう書いていけばいいのか? それを説明していこうと
思います。


 その前に。

 山中さんからひとつ質問がありましたので、それに答えます。


>  今回の企画書とは別にもうひとつ書いているのですが、内容として「システムとス
> トーリーに言及したもの」という事でした。
>  システムについては漠然とわかるのですが、ストーリーを企画書に織り込むという
> のが中々イメージ出来ません。

>  こういった要望のある企画書はどのように書くのがわかりやすいでしょうか?
>  自分で考えてみたのは、まず「世界観」「あらすじ」といった感じで分けて書き、
> 細かい部分は抜きにして「最後はこうなる」みたいなものを提示するような書き方な
> のかなと思っているのですが......。


 企画書には特にフォーマットはないので、ストーリーについて書いて欲しいという
のであれば、山中さんのいうように世界観とあらすじがあればそれでいいです。


 サウンドノベルとかADVとか、シナリオ重視タイプのゲームなのであれば、
だいぶ詳しく書く必要がありますが、いずれにしろ「骨子」があればそれで
いいですよ。


 あらすじの提示は、「最後にこうなる」と説明するより、読み手が「この話は
先が知りたい」と思うように、最後どうなるのかは隠したほうがいいです。

 要するに、興味を持ってもらうようにするわけです。


 ということで、企画書サンプルの説明に入ります。

 まずは、山中さんの企画書をダウンロードしてください。

http://www.n2gdl.net/magazine/20070902/yamanaka_plan.zip


 仰げば尊し(仮)という、RPGの企画書です。

 あなたも企画書を見ながら、このメルマガの解説を読んでくださいね。


 で、これを見せてもらったときに山中さんに送ったのが、
これです。


>ざっと見た感じ、ゲームがイメージしずらい感じがあります。
>ゲーム画面のイメージがあるといいですね。
>あと、タイトルで、売りを端的にコピーで書くといいです。
>
>
>仰げば尊し(仮)
>-育成型シミュレーションRPG-
>
>「メガネっ娘やツンデレ女生徒、猫耳少女でチームを作り、
>魔法飛び交う全国高校武道会で優勝を狙え!」
>
>(一番盛り上がる画面のゲーム画面)
>
>などとするといいでしょう。
>キャッチでゲームを表現し、どんなゲーム? と思わせれば、
>読み進めてもらえます。
>
>
>その後は
>
>概要 → 売り
>
>の流れがセオリーなのですが、概要でゲーム全体の流れがわかり、
>どう作ればいいのかがわかるとベストです。
>
>どう作ればいいかはどうすればわかるか? というと、
>ゲームはパーツが集まってできるので、フィールド、キャラクタ、
>それから画面遷移などがわかると、だいたい想像できます。


●タイトルページ


 これからもわかるように、タイトルページは非常に重要な部分です。

 一番上のページは、机に置いたときに一番目立つページです。

 なので、読み手に配ったときに自然と目に入りますよね?

 だからここであらかじめ


「これは面白そうなゲームだな」

「どんなゲームなのか、早く知りたいな」


と思ってもらうと、勝ちパターンになります。

 中身を見る前にどういう内容かを「想起」させるんです。


 じゃあ、どうすれば想起させることができるのか?

 

 私の企画書の書き方...仮に「新田式企画書作成法」でいうと、
タイトルページで必要なのは、


1・ゲーム名
2・ゲーム画面
3・キャッチ
4・企画者


です。

 それぞれ簡単に説明しましょう。


1・ゲーム名

 これは、小さくてもいいです。

 どうせあとで変わりますから。

 (仮)とつけて、単純なわかりやすい名前にしてください。

 完璧にしたいというのであれば「省略して読んで言いやすいもの」に
しましょう。

 ポケットモンスター → ポケモン

 ドラゴンクエスト → ドラクエ

 みたいな。


 ジャンルも併記しておいてください。


>仰げば尊し(仮)
>-育成型シミュレーションRPG-


 こんな感じで。


 どんなゲームかを一発でイメージしてもらえます。


 あと、どこのプラットフォームのゲームなのか決まっていたら
それも書いてください。

 

2・ゲーム画面

 どういうゲームなのか、ゲーム画面があるとわかりやすいですね。

 イメージの絵を書くよりも、ゲーム画面のほうが作るゲームが明確に
分かるので、ゲーム画面がベストです。

 イメージ的な資料は、企画書の付随資料として配ればいいです。


 で、ゲーム画面は一番盛り上がってる場面を書きましょう。

 ゲームの売りの部分で説明するときにそれと同じ絵を使うと、
タイトルページを見たときにその場面を思い出してもらえます。

 まあ、小手先のテクニックですが。


 ゲームの絵は、できればグラフィッカーさんに作ってもらうのが
映えるのでベストですが、できない場合は手描きで描きましょう。

 私もゲーム画面を手描きで描いて企画書に使ってました。

 別に下手でも大丈夫です。


3・キャッチ

 キャッチというのは、サブタイトルみたいなものですが、
私は「ヘッド」と呼んでます。

 「ヘッド」というのはマーケティング用語で、広告で一番目立ち、
かつ人を引き寄せる部分のことを言います。


 ここを見て、「おっ!? どんなゲームなのか早く知りたい!」と
思わせるわけです。


 だから「ヘッド」は、ゲームの内容、売りを一発で表すものにしましょう。


 例えば、


>「メガネっ娘やツンデレ女生徒、猫耳少女でチームを作り、
>魔法飛び交う全国高校武道会で優勝を狙え!」


 適当に考えたのですが、こんな感じです。


 この「ヘッド」の部分は非常に奥が深く、人を引き寄せる9つの要素が
あるのですが、この説明は長くなるので、また別の機会にします。


 この「ヘッド」は、余裕があえば30個くらい考えましょう。

 「あなたが作るゲームをひとことで言い表すなら...」と、自問自答します。


 これを考えることによって、企画自体も非常に考えることになるので、
ブラッシュアップ(磨き上げられる)されますよ。

 

 既存のゲームをひとことで説明するのも勉強になります。


 襲ってくる数々の異能の魔物を切り倒しながら、空腹に絶え、罠を切り抜け、
ランダム生成されるダンジョンの最下層まで到達し、財宝を手に入れろ!


 風来のシレンです(笑)。

 もうちょっと長くなってもいいので、世界観の説明も入れたいところですね。

 

4・企画者

 あなたの名前です。

 以上(笑)。

 

 タイトルページはこんな感じです。

 どうですか?

 意外に書くこと・考えること多いですよね?


 ゲーム企画書も、けっこう奥が深いんです。

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