今のゲームにはなにが必要か?

 

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今のゲームにはなにが必要なのか? ということを話す前に...。


 現状のゲームに対する「怒り」は私だけでなく、多くの人が抱いている
ようです。

 メールをくれた方を一部紹介しますね。

>自分が小学校の時に、スーパーファミコンが出てきたときでした。

>あのときの、興奮を覚えるほどの感じたゲームのCM。
>「聖剣伝説2」「タクティクスオウガ」「バルキリープロファイル」など、
>たくさんのゲームのCMで興奮を覚え、自分でもそれらのゲームをやっているとき
>めちゃくちゃのめり込んでいました。

>でも、そんな興奮をおぼえるゲームが今の世にあるのか?
>いや!!ない!!

>それは今のゲームはグラフィックなどめちゃくちゃ綺麗ですごいけど、
>半年もしないうちに飽きてしまう。

>ゲームは、ゲームをしている人に夢と希望を与える、そういうものでは
>なかったのでしょうか?

mundiさん


>少なくとも少し前は新しいものを作りつつ
>確実に進化していた

山田さん


>シリーズものは、確かに一定の利益を見込めるかも知れませんが、最近では
>「このタイトルをつけておけば売れる」という理由で、「シリーズ」と銘打たれた
>ゲームも出ているようです。

>はっきりソフト名を上げてもいいんですが、これまでのシリーズとは全く別物、
>上っ面だけ過去のシリーズと似ている、あるいは過去のシリーズのシステムを
>ただ使い回しているだけのソフト。

>いい加減嫌になります。


淡海さん

 

 ゲームがどんどん産業規模を落としたのは、ゲームの重厚長大化による
開発費の高騰、オリジナリティよりも確実な収益を求める方向性からの
多様性の低下、ゲーム制作の工業化が進んだため、と私は分析します。

 まあ理由はどうあれ、まとめていうと


・ゲームの画一化


 が進んだ、というのが、大きな原因ですね。

 新しいものが出ないと、人は飽きるんですよ。


 ゲームはもっと多様性を持ち、いろいろな世界観、オリジナリティと可能性の
あるゲームシステムが登場することによって、新たな「シーズタイトル」を
生みだす必要があります。

 

 シーズ、つまりジャンルの「種」となるソフトが生まれなければいけないんです。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 新しいムーブメント、新しい話題が生まれるには、ゲームの多様性を確保する
必要がある。

 混沌としたアイデアの試行錯誤の中から、さまざまな要素が組み合わさり、
新しい面白さが生まれるからです。


 それには重厚長大な内容ではだめで、小中規模でもいいのでチャレンジ精神の
ある内容が作られたほうがいい。

 今はWiiやDSの成功で、軽薄短小なゲームが流行っていますが(すでにブームが
終わりそうですが)、どちらかといえば、中規模でコンスタントに作れるゲームの
ほうが、のめりこむほどの深みを作れて、しっかりした世界観も打ち出せると思います。


 規模的にはファミコン後期、スーパーファミコン期、程度の規模です。

 それを今のテクノロジーで作り、コンパクトにまとめていくのが、多様性を
生み出すのにちょうどいいだろうと私は考えています。


 また、携帯電話、インターネットが人の持つ「スキマ時間」にすっぽりハマる
ようになり、ゲームの中途半端なプレイ時間がその間にハマらなくなってしまった
状況があります。

 ゲームはプレイするのに時間を裂くという「覚悟」が必要になってしまってる
わけです。

 これも重厚長大なゲームの副作用です。


 ここは、うまく人の「スキマ時間」にハマるようなゲームを考える必要があるし、
携帯やインターネットを取り込んだゲームにしたり、「覚悟」をしなくても
ゲームにスンナリ入っていける工夫が必要になっています。


 例えば、小さなRPGであれば、携帯でもプレイできたり、レベル上げだけが
携帯できたり。

 パソコン中でもゲームが小さなウィンドウ上で見られて、休み休みプレイできたり。

 実時間で進むゲームであれば、経過だけを眺めることができたりとか。


 割と短い時間で終えることができ、さらに偏在性を持ったゲームが今の
ゲームがプレイされる環境的には合っている。


 ゲームが大きくその内容を画一化させたもうひとつの大きな原因としては、


・グラフィックス主義


 が、上げられますね。

 ゲームハードが追い求め続けている、グラフィックス精度の向上です。


 無論、私は3D技術や映像の美麗化を否定するわけではありません。

 グラフィックス技術の向上は、明らかに臨場感を増大させるし、
美麗なムービーはゲームを華やかに彩ってくれます。

 これは1ジャンルとして、追い求め続ける価値があるでしょう。


 しかし、ことゲームにおいては、その映像を作り出すために、非常に
大きな時間的、技術的、資金的コストがかかります。

 経験的に、ゲーム開発はそのグラフィックスを実現するために、
80%以上の開発時間が注がれている。


 そのために、ゲームバランスやゲーム内容が犠牲になっている側面がある。


 「ディアブロ」や「ウォークラフト」で有名なブリザード社では、
1つのゲームを作るために5年もかけますが、それは美麗なグラフィックスを
実現し、なおかつ、パーフェクトなゲームバランスを実現するために要する時間
を確保しているからなんです。


 それだけのコストを払える会社は、今日本には数えるほどしかない。


 そして中小のゲームデベロッパーは映像主義に右に習えで、大手の会社が
作っているものの縮小版を作ることに終始しているのが現状です。

 これはデベロッパーが悪いのではなく、クライアント、つまり大手の会社が
そういう内容のものを求めるからなんです。

 いまや、中小のデベロッパーは大手の傘下でなければ食っていけない
状況なんですね。

 このような状況では、多様性のあるものは作りづらい。


 ではそういった状況の中、中小の会社はどうしたら多様性のある
オリジナルゲームを作り、自社をブランド化できるのか? というと。


 これはこれまでのメルマガの中で何回か述べましたが、もう一度。

 ブランド化は、インディ・ゲームを作ろうとしている個人でも同じ方法に
なります。


 つまり、


 づくし、だらけ、にすること
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


です。

 スマートに言うなら、

 

  フォーカスを定めること
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


です。

 まず、中規模のオリジナルゲームを作ることを決める。

 ブランド化は、まずはオリジナルゲームありきですから。

 自社プロジェクトを1つ、事業部を用意してでも、推進する。


 今時中規模じゃあプレイ時間ボリュームが作れない...と思うかもしれませんが、
そんなことはありません。

 中規模でも、プレイ時間ボリュームを高めることは可能です。

 ゲームシステムを中規模にして、面データやステージデータ、シナリオデータを
増やしてボリュームカバーすればいい。

 これならコンシューマゲームでも耐えうるボリュームにできます。


 そして、先に言ったとおり、「づくし、だらけ」にする。


 分かりやすい例を上げると、「株式会社トレジャー」です。

 「レイディアントシルバーガン」「斑鳩」「グラディウスV」などを作っている
会社です。


 この会社は、会社のカラーが非常にはっきりしています。

 作るゲームをアクション、シューティングに絞り、そのジャンルの
技術だけを高めている。

 つまり、「アクションづくし、シューティングづくし」の会社なんです。

 意図しているかはわかりませんが、そういうふうにブランディングして
いるんですね。

 アクションやシューティングなら、トレジャーに任せておけ! みたいな
イメージが出来上がっているんです。

 これは強いですよ。

 根強いファンも生まれます。


 これと同じように、中小の会社、個人も「だらけ、づくし」でブランディング
していくと強いです。


 私も将来的に


・「ダンジョン」にフォーカスしたゲーム会社

・「自動生成」にフォーカスしたゲーム会社

・「血湧き肉踊るハードファンタジー」にフォーカスしたゲーム会社

・「生死を賭けた男の仕事」にフォーカスしたゲーム会社


 など、フォーカスの分だけ、ゲーム会社を作りたいと考えています。

 どんだけ欲張りなんだって話ですが(笑)。


 でも、やります。

 もう、そればっっっっっっかり作る会社。

 ひとつのフォーカスをめっちゃ突き詰めていく会社。


 楽しそうでしょ?

 会社的にも、ひとつの技術にフォーカスするのでゲームがとても作り
易くなります。


 こういう会社がたくさんあれば、多様性があって、とても楽しいゲーム業界に
なると思いません?


 また、インディ・ゲーム業界も、こういうひとつのフォーカスにめちゃ
強いサークルや個人、会社があれば、すっごく面白そうだと思いませんか?


 「またあの人、めっちゃ濃いゲーム作ってきたぞ!」みたいに
言われたりしてね。


 あなたも、自分はどんなゲームに強い会社にしたいのか、
どんなゲームばかり作ることにしたら面白いか、考えてみてください。

 

 

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