3・どんなレベルだと、ゲーム業界に入ることができるのか?

 

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 Rockさんから、以下のような質問がきました。

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Rockさん


ゲームのしくみ委員会 新田様

はじめまして、Rockと申します。
いつもメールやしくみのヒント365日を楽しく拝見させて頂いています。
また、Game DesignTips48を始めとする各種情報書籍も凄く為になり、
これが無ければ今の自分は無いと思います。ゲームのしくみや新田様に
お会いできて本当に嬉しく思います。

本日メールをさせていただいたのは、新田様に助言を頂きたいと
思ったためです。

現在私は某大学院の1年生で、この秋から就職活動がそろそろ始まるという
時期です。私は小さい頃からゲームが好きで、絶対にゲームを作る仕事に
つくんだと、今まで頑張ってきました。現在の大学で今の研究室
(人体動作アニメーション関連)に居るのも全てそのためです。

また、自分なりに高校時代からプログラムを始めて、C++やDirectXといった
ものは一通り使えるレベルになりました。

しかし、どこまで行っても不安なのは果たして「今のゲーム業界に自分の
レベルで入ることが出来るのか?」という疑問です。

私はプログラマとしてゲーム業界に参加しようと考えていますので、
採用試験を受けるときには作品選考がある事が大半です。

ゲームのしくみに出会って自分でも色々と「おもしろさ」というものを
考えながらプログラムしていますがどこか熱中できるだけのゲームが
作れないのです。

そんな状態で作品を作っても就職活動の作品としては見向きもされないの
ではないか、また逆にどういった作品であれば目にとまるのだろうとどんどん
思考のスパイラルに陥ってしまいます。

新田様は以前ゲーム業界にお勤めになられていたと言うことで、具体的に
作品選考では何が重要視されるのか・・・といったことをご存知でしたら
ご教授願えますと、非常に嬉しいです。どうか、宜しくお願いします。

ここからは全く話は変わるのですが、最近ライトゲームというかライトユーザー
向けのゲームが多いですね・・・昔はもっと面白い骨のあるゲームがあって、
もっとゲーム業界はにぎわってたと思うのですが・・・。

やはりヒント365日にもあったようにゲーム以外の娯楽が沢山でてきたからで
しょうか。このままじゃ業界は衰退する一方の予感がします。
そんなこともありますので、業界の興隆に少しでもプログラムという手段で
貢献できたらいいなと思っています。

それでは、失礼致します。
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 メールありがとうございます!


 プログラマは、どんなレベルであれば採用されるのか?


 ということですね。

 私もプログラマですが、新人PG(プログラマ)採用の場には
多く関わってきました。

 それからフリーランスも経験してきてますので、どれくらいが
実用に耐えうる人材なのか、ということも把握しています。

 その経験から、採用条件をシェアしますね。


 採用に際して、見るところは大きく2つ。


●1・技術面

●2・メンタル面


です。

●1・技術面

 「面白いゲームが作れるか?」という面は、プログラマに関しては
あまり見られません。

 もちろん、「言われたことだけやる」プログラマよりは、面白く
なるように提案してくれるほうが、100倍いいプログラマです。

 実際、そういうプログラマがいてくれたほうがいいゲームができるので、
ゲーム会社としては評価が大きくなります。
 
頼られる存在になります。


 しかし現場では「早く、確実な」プログラムを組むことが要求される
ことが多いんですね。

 つまり、バグに詰まることなく、効率的にプログラムをチャッチャと
組める人がありたがられます。

 そしてバグが出にくいプログラムを組めたほうがよい。

 コンパイルの時点でワーニング&バグを多く出してしまう人は、
スキルがまだまだ低いとみなされます。


 作業が早い、バグが出にくいプログラムを組める、というスキルは、
実際のところ作業効率アップをコツコツと経験によって積み上げてきた
人が持っているものです。


 だから逆に言うと、最初からそういう効率化を計っており、作業が早い人が
いれば、評価は高くなります。

 だから、作業効率の早さとバグの出にくい工夫をしているところを
アピールすると強いです。


 あと作品ですが、これもさまざまな作品を見てきましたが、だいたいは
「ちゃんと動いている」だけで評価はされます。

 ひとつのものを組み上げるだけの根性とスキルを持っているだけで、
実作業に入れるとまずは評価されます。


 で、ここが肝心ですが、「ちゃんと動いている」ものが複数ある場合。

 つまり応募多数で作品が多く寄せられた場合ですね。


 こういう場合は作品同士が比較されるので、より高度で緻密な処理を
実現しているほうが採用されやすくなります。

 例えば、オブジェクトが多数画面内で制御されているほうが、少ない
よりはいいですし、2Dよりも3Dのゲームのほうが評価されます。


 あとは、ディテールですね。

 例えばシューティングゲームの作品で、敵に弾が当たったときに
小さな破片が飛ぶとか、こういったディテールを作っている人は、
きめ細かなプログラムを組む人だ、と思われやすいです。

 あ、これは例ですから、だから「そうか破片を飛ばせばいいんだ」とは
思わないで下さいね(笑)。

 細かな配慮ができる人が評価されるよ、ということが大事ですから。

 

 で、まずいのは、作品の中で明らかにバグっているところが放置されて
いる状態です。

 これがあると、バグに対する認識が薄いと思われてしまいます。


 特にコンシューマ系ゲームは、バグがあると自主回収などの大きな
負債が生まれる可能性がありますから、バグに関しては異常なほど
チェックを行ないます。

 だからゲーム業界にはデバッグ専門の会社があったりするんですね。


 「バグは1つも残さない、出さない!」という信念で仕事をしている
人は、やはりプログラム内容が全然違ってきますし、開発環境の整え方も
違ってきます。

 プログラムに対する意識も違います。

 経験のある人ほど、バグに対する責任の重大さが分かっているので、
堅牢なプログラムを組むようになります。


 ただ、これは経験の長さによるところもあるので、「バグを出さない
ことを念頭に置いて開発環境を整えている」ことをアピールし、
どういう工夫をしているかの具体的な事実も述べておくといいでしょう。

 で、実際に「どうすればバグが出ないプログラムを組めるか?」と
いうことを深く考えておくことをお薦めします。


●2・メンタル面

 ゲーム開発の仕事をしていると、たまに「逃げる」人がいるんですよ。

 それは、気持ちもわからんではないです。

 連日徹夜が続くことはあるし、日々自分の時間が少なかったり、
スキルを高めるために毎日家で勉強したり、日々の精進が必要だったり
しますから。

 つらくて、逃げたくなる気持ちもわからんではないです。


 しかしそれも自分で選択した仕事。

 一度引き受けたのに、責任を放棄したら社会人として信用を失います。


 だから、新人も一度引き受けたことの責任を取れる気概があるのか、
見られます。

 言葉の使い方や表情でわかるんですね。

 ちゃらちゃらしてたり、へらへらした受け答えをしている人よりは、
ハキハキ返事してくれる人のほうが「ちゃんとやってくれそう」な氣が
します。

 「氣がする」というとすごく主観的な判断のように思えますが、
本人の実際の中身がわかる人はいませんので、こういう第一印象は
すごく大事なんですよ。


 だからぜひとも、「ハキハキとした返事・態度」の練習をしておくことを
お薦めします。


 ちょっと話がずれますが、やる気がみなぎっている人っているじゃ
ないですか。

 どうしてそんなにやる気があるの? そのやる気はどこから出てくるの?
という人が。

 こういう人は、どこにいっても高い評価を受けやすい。


 もちろん、生まれつきというか、そういう育ち方をした人もいるんです。

 体育会系の人とかは、そういう傾向が強いです。

 でも、そうじゃない人もいます。


 「やる気」をみなぎらせるスキルを持っている人がいるんです。

 彼らは、プラスに生きたほうがいいことを知っているし、何事もやる気を
出して取り組んだほうが楽しいことを知っている。

 そして、やる気があるほうが高い評価を受けることを知っている。


 だから、「やるゼ! やるゼ! やるゼ!」と自分を鼓舞して、
いつもエネルギーの高い状態でいるようにしているんですね。

 では、どうやれば高いエネルギーでいれるのか?


 これ、重要なんで、ぜひ覚えておいてください。

 面接の前とか、電話の前とかにやっておくと、いい印象を与えること
間違いないです。


 人の気持ちは、身体を動かすことで変わります。

 だから、両手で頬をパーン! と叩いて気合いを入れたり、両手の
握りこぶしを思いっきり握ったり、胸をパン! と叩いたりすると、
気持ちが変わります。


 あと、タレントで勝俣州和さんっているじゃないですか。

 「シャー!」とよく言っている人。

 彼もなにかやる前は「シャー!」とよく気合い入れてますよね?

 あれも、やる気が出るんですよ。


 私も、ガッ! と終わらせたい仕事があるときは、「よっしゃやるぞ!」
とか「よっしゃー!」とか、声を出してたりします(笑)。

 あと胸をバンバン叩いたりしてね。


 これをやると、もう目の輝きが違うんですよ。

 気合いの入った目になる。

 背筋がピンと伸びる。


 これを面接の前に、トイレとかでやっておくと効果ありますよ。

 「やる気のありそうなやつが来たなあ」って思われます。


 最近ゲーム業界にいる人からよく聞くんですが、とにかく
若い連中がやる気がなくて、すぐへこたれてしまうらしいです。


 逆に言うと、こういう状況でやる気がカーッ! とあるヤツが
来れば、「キミ、明日から来て」となります。


 メンタル面と技術面は、どちらを重視するかは面接官やその会社の
雰囲気によって変わりますが、どちらかが飛びぬけていれば、必ず
採用されます。

 両方ある人が一番いいんですけどね。


 ということで、技術面とメンタル面、これに氣をつけて就職活動を
してくださいね。


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後藤さん

突然のメール失礼致します。
後藤、という者です。

毎回のメールマガジンをとても参考にさせて頂き、ゲーム業界に対する
考えや姿勢までも糧とさせて頂いております。

ご多忙の事とは思われますが、これからも数少ない有数の情報源として
参考にさせて頂ければと思っておりますので宜しくお願い致します。

今回、ゲーム業界の就職に関する質問をさせて頂きたいと思い、メール
を送らせて頂きました。


現在私はゲームプログラマーを目指して勉強をしておりまして、特に3D
に関して力をいれております。

ある程度のシェーダプログラムも作成出来るようになり、ゲームに関す
るアルゴリズムも多種多様の書籍を読み勉強しているのですが、なによ
りも気になっているのがこれからの就職活動に関する事です。
特にゲーム業界の雇用形態による違いというのがはっきりと分かってい
ないという事に気付きまして、ゲーム業界の就職に関するサイトも見さ
せて頂いたのですが、現状を伝える様なタイムリーな情報ではないので
は、と疑問に思っておりました。

その折に、ゲームのしくみさんのメールマガジンに就職に関する質問を
受け付けるというのが記載されているのを見まして、プログラマーを目
指している身ではありますがなにか就職に関する情報を頂ければ・・・。
と思い質問させて頂きました。


前置きが長くなってしまい申し訳ありません、本題に入らせて頂きます

まず気になりましたのが、雇用形態にはどのような種類があるのでしょ
うか?
私が漠然と把握しているのは、フリーとして登録し、仕事を頂く形と、
就職して仕事をする形(アルバイトも含め)の二種類です。

それに加え、この二種類の雇用形態のメリットデメリットというのはど
ういったものがあるのでしょうか?
普通、就職し正社員となると安定した生活が保障されるという印象があ
りますが、現在のゲーム業界で下請けだとしても安定しているかという
と疑問を感じてしまい、普通の企業と比べると同じ認識で就職を行うと
危険という気持ちがあります。
また、フリープログラマーとして登録という募集要項も良く見かけるの
ですが、フリーというのはそこまで仕事が頂けるものなのでしょうか?

読みづらい文章で大変申し訳ありません。私の質問をまとめさせて頂き
ますと。


****************************************************************
1.雇用形態はフリーと就職(アルバイト含む)以外はあるのか。

2.フリーと就職した場合との利点や欠点は。

3.フリーとして活動したいと考えた場合、仕事というのはどの程度ある
ものなのか。
***************************************************************


という三つです。

私はまだ年齢が20ですので、このような質問は甘いと思われるかもしれ
ませんが、その点を踏まえてこれからの有り方など、なにかご指導頂け
ればとも思っております。

大変ご多忙とは思われますが、お返事を頂けると幸いです。
何卒宜しくお願い致します。
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 メールありがとうございます!

 よっぽどでないと、最初は仕事を選べる立場にはならないと思いますが、
先の展望もあると思うので、順に答えます。


1・雇用形態はフリーと就職(アルバイト含む)以外はあるのか。

 雇用形態は、

・社員
・フリーランス(外注)
・アルバイト
・インターンシップ(無償)

の4つですね。

 社員は福利厚生や源泉税、それから雇用保険などの優遇があります。

 フリーランスはいわゆる自営業で、社員のような優遇はありません。
 変わりに高めの報酬をもらっています。
 フリーになるには、仕事をこなせるという信用が必要です。

 アルバイトは時給で働く、単純作業員です。
 優遇措置はありません。
 デバッグなど、誰でもできそうな作業的な仕事であることが多いです。

 インターンシップは、ゲーム専門学校から推薦され、アルバイト的に
会社で仕事をする制度です。
 「お試し就業」的な面が強く、無償です。


2・フリーと就職した場合との利点や欠点は。

 先にも書きましたが、社員であれば優遇措置があります。
 会社に従事する変わりに受けるわけですね。
 ただし、ほぼ仕事は選べません。
 いやな仕事でもやらなければいけないことが多いです。

 フリーランスは仕事を選べるかわりに、自分で営業して仕事を
とってくる必要があります。
 だいたいはコネなので、人のつながりがいります。
 なので業界経験者がフリーになっていることが多いです。


3・フリーとして活動したいと考えた場合、仕事というのはどの程度ある
ものなのか。

 プログラマであれば、割と多いですね。

 ただ、やはりある程度のスキルが必要ですが。

 今ゲーム業界では、プログラマは非常に不足しているので、仕事に
あぶれることはないでしょう。


 私からもいつでも紹介することができます。

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