アバウト・ゲームデザイン

 

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●ゲームデザインは感情を変化させるために行われる


 「ゲームを面白くするにはどうしたらいいのか?」

 ゲームを考える人なら誰でも悩むこの問題...。

 一筋縄ではいかない問題です。

 私は、ゲームの面白さとは、とどのつまり

「感情を動かされたとき」

に感じるものだと思います。


 どんな感情であれ、人の感情を動かせば、人はそれを求めてやってくるよう
になります。

 いい例が「遊園地」でしょう。
 遊園地ある遊具は、ジェットコースターであれ、フリーフォールであれ、パ
イラットであれ、確実に人の感情を変化させます。

 それから「マジック」。
 どうやってたくさんのトランプの中から任意の一枚を選べるのか?
 どうやって鎖でがんじがらめにされたのに、鍵のついた箱から脱出できるの?

 タネが全然わからない!
 けれどその眼前に広がる不思議な光景。ありえない!
 人の感情は確実にそこで変化します。

 人は、そういう自分の感情を激しく変化させてくれるものに惹かれます。


●どうやって感情を変化させているのか?

 では、どうすれば、人は感情を変化させるのでしょうか?

 それさえわかれば、ゲームデザインなどたやすいものです。
 その状況を再現するように、ゲームを考えればいいわけですから。
 その状況を真似すればよいのです。

 ゲームを作るという作業は、絵と音とゲーム内容を「ある感情」を動かすこ
とを目的にして紡ぎ上げられる。
 用意された素材は、すべて、その「ある感情」を動かすためにある。

 その「ある感情」とは?

 それは緊張感かもしれないし、安堵感かもしれない。
 達成感かもしれないし、恋愛感情かもしれない。
 高揚、失意、激昂、脱力、これらも感情。

 人と人との間から生まれる連帯感かもしれないし、結束感かもしれない。
 はたまた、アーティスティックな感情もある。

 感情はそれが生まれる状況ごとにさまざまな形があります。


 ゲームデザイナーが、再現する感情を選ぶんです。

 ゲームデザイナーとは、実現したい感情を選び、その感情を作り出すのが仕
事の目標。

 感情を変化させるには、絵と音とゲーム内容(構造)を組み合わせて、感情
を動かすシチューエーションを設計します。

 その設計が、ゲームデザイナーの仕事内容です。

 ゲームデザイナーとは、言い換えれば

「エモーション(感情)・デザイナー」

でもあるわけです。


 最終的には「感情」です。


 これはゲームだけでなく、世の中にある、あらゆる商品がそうです。

 おなかがすいたという気持ち(感情)を変えたいから、人はスーパーで買い
物をする。
 寂しいという気持ち(感情)を愛情で満たしたいから、出会いのイベントに
参加する。
 今使っているソフトで感じるストレス(感情)をなくしたいから、別のより
よいソフトを探しにパソコンショップに行く。
 暑いという気持ち(感情)を変えたいから、クーラーを買いに行く。

 すべて感情です。
 この焦点を押さえておけば、どんな商品を企画するときでも、


「お客が変えたがっている感情はなにか? お客が欲しい感情はなにか?」


と考えれば、おのずと道は見えてきます。


●感情を刺激する

 テレビゲームでは、感情を変化させる方法に制限が入ります。

 ゲームでは、人間の情報収集器官である、「視覚」と「聴覚」を刺激するこ
とができますが、「嗅覚」と「味覚」は刺激することができない。

 「触覚」は、人間の感覚器官の中では非常に大きな部位で、最近では振動コ
ントローラやネジコン、ハンドルコントローラ等でも手の部分を刺激できるよ
うになっています。

 しかし「平衡感覚」「痛覚」「温度感覚」、風のような全身への感覚をゲー
ムでは表現できないので、触覚への刺激としてはまだまだ不十分に思います。

 ですので、普通は「絵」と「音」、この感覚に集中してゲームは作られる...。


 しかし、忘れてはならないのが、「感情を刺激する」のがゲームデザインの
キモであり、絵と音のクオリティを上げることが必ずしも「感情を刺激する」
ことに繋がるというわけではない、ということです。


 グラフィックや音は、感情を刺激する大きな要素ではあるけれど、これらで
与えられる感情は、「インパクト」、つまり驚きであり、ゲームデザインの中
心にくるのは、これらを材料として「しくみ」「しかけ」を作ることです。


 いくら絵が凄かろうが、それだけではだめで、ゲームシステムによって、


「感情を刺激する流れ」


を作らないと、ゲームはさっぱり面白くなりません。

 では、その「感情を刺激する流れ」とはいったいなにか?


●カタルシス

 感情を刺激する流れ...この実現は、「カタルシス」という言葉を基礎に考えま
す。

 カタルシスという言葉をあなたは知っていると思います。
 「浄化」という意味です。

 カタルシスは、まず抑圧があって、それが解放され、人々のこころが浄化さ
れる、という流れで実現されます。


 簡単に言うと、

 緊張(抑圧) → 弛緩(解放)

 という、2つの要素によって、カタルシスは実現されます。

 これはいろいろなゲームで見ることができますが、例えばシューティングゲー
ムやアクションゲームなら、ザコを倒して進んでいき、ボス戦をするまでが緊張。
 ボスを倒せば、緊張が解けて弛緩。ここにカタルシスがあります。

 RPGなら、レベルアップまでの戦いが緊張。ストーリーの進行で、危険な目
に会いながら倒すべき相手に至るまでが緊張。セーブポイントに到着するまでも
緊張ですね。
 緊張が織り重なり、


「カタルシスの伏線」


になっています。

 そして、それらが次々と解決。レベルアップ、ボスを倒す、セーブポイントに
到達。弛緩が訪れ、次々とカタルシスがやってきます。

 物事が次々と連続して解決されていくさまは、非常に気持ちがいい!

(実はここに「掛け算ゲームデザイン」の隠れた極意があります)


 このように、緊張と弛緩の流れによって、人は大きな気持ちよさを得ます。

 この流れをシステム化したのが、「ゲームシステム」というわけです。

 ちなみにシステムとは、「同じ結果を何度も得られるように作られたしかけ」
と解釈するといいと思います。

 そう、気持ちよさを何度も何度も繰り返し得ることのできるように作られる
のが、本来の「ゲームシステム」なんですよ。


●ゲームデザインはトータルである

 さてゲームシステムで「感情を刺激する流れ」が作られるということがわか
りました。

 しかしながら、ゲームシステムだけがゲームの気持ちよさ・面白さに繋がる
わけではないんですね。
 ゲームとは、

1・世界観
2・状況
3・インパクト

の3つのトータルなデザインで成り立ちます。
 ゲームシステムは、非常に大事で中心的な部分ですが、プレイヤーに「状況」
を与える部分でしかありません。


 世界観でゲーム全体をファンタジーの世界観の深さで壮大にしたり、緻密で
クールなSFの設定で魅力的な世界を作ったり、ストーリーの意外性でグイグ
イと引き込んだり...。
 人の情動、感動、驚きを動かす部分は、キャラクター設定や世界観設定が担
う部分です。

 ゲームのコンセプトも、誰しもが味わう「過去の体験」を呼び起こすように、
恋愛、恐怖、その時代でみんながハマったもの、達成感を再現するよう、世界
観設定することも当然のように行なわれています。

 この部分は作り手のセンスが大きく出る部分ですね。


 それからインパクトです。これはゲームがブレイクスルーするために必要な
要素です。
 インパクトは、ゲームシステムからのものと、世界観からのもの(主にムー
ビーで実現)がありますが、ゲームシステムと世界観・ストーリーをうまく融
合させたところに生まれたものが、大きなブレイクスルーを生み出すようです。

 バイオハザード、GTA3、ポケモン、マリオ、ゼルダ、一連の任天堂ゲー
ムは、ゲームシステム、世界観ともに非常に完成度が高く、その相乗効果で人々
の感情を大きく揺さぶり、世界的なヒットになったように思います。


●セコンド・メソッド

 私たちがゲームを作る上での目標はなんでしょうか?

 どうせなら、すっげー面白いゲームを作って、大勢の人たちを湧かせたいで
すよね。そう思っているからこそ、あなたはこの小冊子を見ているはずです。

 私も、どうせ作るなら世界的なヒットをブッ飛ばしたい。
 そういう野望があります(笑)。

 ただ私の場合は、ゲーム業界に有益な情報を供給する立場でありたい...と思
いつつも、インターネットでの可能性にも目を向けています。

 これだけ広く多くの人に見てもらえる表現の場があるなら、


「インディ・ゲーム・デベロッパー」


として生計を立てていくのも可能です。
 実際、日本にはそういうグループが数多く存在します。

 自分で自分の作りたいゲームを作りながら、その評価と対価を得て暮らして
いく。ゲーム開発者としては、これ以上の喜びはないのではないでしょうか?

 アメリカでは、年間10万本売れるゲームソフトを作り、自分のウェブサイ
トで売って、そのお金で暮らしている個人のクリエイターがかなりたくさんい
るそうです。

 数は少ないですが100万本売っている人もいるそうですよ!

 「もう、そういう時代になってきたんだ!」

 という感じがしませんか?


 

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