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17年前...。

 私はゲーム企画になるべく、ゲームが面白くなるための
普遍的な要素を探し始めた。


 いったいゲームを面白くしているものはなんなのだろうか? 

当初はシステム的・学問的なアプローチを始めた。

 ゲームシステムにこういう要素を入れれば面白くなる
ことが間違いない...そういうアプローチだ。


 しかし、それは企画のプレゼンテーションのときに
全然共感を呼ばないものだった。


 面白いゲームには、こういうシステム的な共通要素がある...、
 学問的なアプローチからいくと、こうするとゲームは
面白くなるはずだ...。


 こういったアプローチは、


 「へえ、そうなの」

 「なんかしらないけど、こだわってるんだね」


 そういう興味のなさげな、なんの感慨もない
スタッフの言葉を誘発するだけだった。


 企画が通らなければ、いくら面白くなる可能性のある
企画書であっても全然意味がない。


 会社に在籍するクリエイターにとって、通らない企画は
ないものと同じなのだ。


 学問的な説明は、理屈はしっかりしていても、
スタッフに「これはいけそうだ」という確信を与える
ことができない。


 つまりチームの意識を昂揚させ、エネルギーの高い
活動を促すことができないのだ。


 面白さを実現する前に、面白さをスタッフに
わかってもらわなければいけないという壁。


 説明責任。


 企画者のコミュニケーションスキル。


 ゲームデザインでも面白く、企画書のプレゼンでも
面白くなるような考え方はないのだろうか?


 そういう新たなスキルの必要性を痛感させる出来事が
毎日連続した。

 

 ...「ある概念」を発見するまでは。

 

 ...さて今回は、久しぶりにゲームデザインのスキル的な
話に入ろうと思います。


 ゲームを面白くするために、体系化した方法論を持っておく
ことは、言うまでもなく大事ですが、結局のところ、ゲーム
だろうがなんだろうが、作品を作るのに必要な推進力になるのは
作りたいという「意欲」なんですね。


 基本はこの「意欲」がなければなにも進まないわけで、
「意欲」がなければいくら高尚なスキルがあっても
なんの意味もないわけです。


 また、ゲームは作ってから結果が出るまでに非常に
時間がかかります。


 特にコンシューマゲームだと1~4年かかるわけで、
この間、チームの意欲が終わりまでキープされる必要が
あるのですが、自分たちの作っているゲームが本当に
面白いのだ、という「確信」は、この意欲をキープできるか
どうかにかかってきます。


 自分たちのやっていることが最後には報われる、
そういう希望がないと、惰性に告ぐ惰性でゲームを
作っていくことになる。


 それは、ゲームにとってよくないし、
何より制作するスタッフの精神衛生上よくない。


 そこで、スタッフがその「確信」を得るために、
ひとつのゲームデザインスキル、そして企画プレゼンでも
説明が面白くなる、1つの概念を、今回は説明します。

(ちなみに冒頭の「ある概念」ではないです。
その概念はメルマガを長く読んでいるなら、
もうおわかりですね)


 ゲームには、必ずといっていいほど入る要素。

 ゲームを盛り上げるために、まず必要な要素。

 ヒットゲームにおいては、まず入っている要素。


 それはなにかというと...。

 

 「エスカレーション」

 

です。


 ゲームは昔から先に進むとエスカレートしていく、
という要素が当たり前のように入っていました。


 例えばパックマン。

 面が進むと、パワーエサの効果時間が短くなる。

 モンスターの動きが早くなる。


 例えばスーパーマリオ。

 面が進むと難度の高い地形が登場し、敵の配置も
いやらしいものになっていく。


 例えばRPG。

 最初スライムしか倒せなかったのが、後半はドラゴンを
倒せるまで強くなる。

 同時にさまざまな魔法を使えるようになり、戦闘は
にわかに複雑になってゆく。


 最近のゲームでも、なんにだって入っています。


 ズーキーパーなり、GTA3なり、Call of dutyなり、
まず間違いなく「エスカレーション」が入っている。


 このエスカレーションは、ゲームデザインの
要素の中ではほぼ普遍要素です。

 

 普遍要素は非常に大事。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 なぜなら。

 

 どんなゲームにでも適用できるし、どんなゲームでも
この要素でプレイヤーをドキドキさせることができる。


 だからゲームを盛り上げる要素として、まずこの
エスカレーションは押さえて置くことを強くお薦めします。

 

 ゲームの骨芯として存在するゲーム要素です。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ゲームデザインも進化するもので、
このエスカレーションも非常に明確な進化を遂げています。


 まず「GTAシリーズ」が非常にわかりやすい。


 「GTAシリーズ」は、右上に表示されている犯罪度、
星マークが明らかにエスカレーションの度合いを示しています。


 星マーク1つだと、パトカーがすれ違うと追ってくる、
星マーク2つだと、パトカーがにわかに多くなる、
星マーク3だと、パトカーが猛スピードで追ってくるようになり、
ヘリが出動...というように状況がエスカレートし、
最終的には街中に戦車が出るほどにエスカレート。


 このエスカレート具合にプレイヤーはドキドキするわけです。


 このエスカレートを促すシステムは、「GTAシリーズ」の
ゲームデザインにおいて、感情を刺激するための核となる
システムになっています。


 それから次に、RTS(RealTime Strategy)の
「エイジ・オブ・エンパイア」。


 ちょっと昔ですが、今ではシリーズ化したり、
開発チームが分派したりして亜流のゲームが多く出ています。


 このゲームには「時代の進化」というシステムがあります。


 どういうシステムかというと、自分の国のユニットが
徐々にではなく、一気に強くなる「進化」というパワーアップ
条件があり、5段階ほどを経て、戦闘がエスカレートする
システムです。


 対戦では、プレイヤーはより優位になるために、
早く強くなるべく「進化」をすばやく行おうとします。


 もちろん進化の間にも攻め込むことができるわけで、
プレイヤーはいつ攻め込まれても防御できるように考えながら、
緊張しつつ進化を目指すわけです。


 そして最後の進化が終わると、あとは戦闘あるのみ。


 いつ誰が攻め込んでくるのか?


 そしていつどこに攻め込むか?


 進化の最後に、緊張がまさにクライマックスを迎えるわけです。

 

 「GTAシリーズ」「エイジ・オブ・エンパイア」、これらの
エスカレートには共通点があります。

 

 それは、

 

「段階が明確なエスカレートである」

 

という点です。


  「GTAシリーズ」であれば、犯罪度の星マーク。

 「エイジ・オブ・エンパイア」であれば、進化での建物の変化。


 エスカレートが明確であれば、その段階の変化に
プレイヤーは明確に「気づき」ます。


 するとどうなるか?


 段階が明確でない場合はなんとなくその変化に気づきますが、
マークなどで明確にエスカレートが示された場合は、
そのマークが変わった瞬間に、プレイヤーの気持ちは変化します。

 まるでスイッチを押したかのように、感情を高ぶらせるわけです。


 つまりそのマークが、イコール、プレイヤーの感情の変化を
表すわけです。


 覚えているでしょうか?


 ゲームデザインは、プレイヤーの感情を揺さぶることが目的。


 エスカレートの段階が明確であることは、その感情を揺さぶる
というゲームデザインの目的を如実に実現するわけです。

 

 エスカレートの明示は映像的な表現だけでなく、
音声による明示、(バイブコントローラ等の)触覚による明示でも、
同様に作ることがでいます。


 複数の感覚を組み合わせることによって、プレイヤーは
感情の高揚の「キー」深く記憶に刻むので、いつまでも記憶に残る
ゲームを作ることができます。


 ということで、「エスカレート」についてでした。


 「どうやってゲームを盛り上げたらいいかわからない」


 というときは、ぜひこのエスカレートを意識して、
ゲームをデザインしてみてください。


 エスカレートを意識するだけでも、ゲームの
面白さは格段に違ってきますよ。


 

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