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SSV = Sex, Speed, Violenceの略
 本能的快楽3要素。

●SPEED

 今回はSSVの真中の「S」、SPEEDです。

 人は動くものを目で追う性質があります。

 止まっているものより動いているものの方に意識がいくのは、生物全体で共
通する性質です。

 「敵」を察知して素早く逃げたり、「獲物」を捕らえるためにその動きをつ
ぶさに観察したりと、そういう目的で動くものに対して注意を払うようになっ
たと言われています。DNAに刻まれた本能ですね。

●SPEED快楽1・反射神経の機能快

 例えば猛スピードで走るF1マシンが目の前をビュンビュン通過していくシー
ンや、球技、例えばピンポンで玉が猛スピードでラリーするさまを目の前にする
と、思わず注意を向けてしまう。

 しかもちょっと興奮。

 上の例は観客の視点ですが、もっと興奮するのはプレイヤーになったときで
す。

 レースゲームはどうして興奮するか?
 目の前の景色がビュンビュンと間断なく展開され、さらに、ゲームを続ける
ために激しい操作でハンドルを切る面白さがあるからです。

 新記録を打ち出すためにちょっとしたミスも許されない!

 一瞬一瞬に緊張しながら、全神経をモニタに映し出される光景に集中させる。

 頭の中は真っ白。

 「反射神経だけの状態」になるわけです。


 「反射神経だけの状態」は、レースゲームだけでなく、弾が画面中に溢れて
猛烈に忙しくなったときのシューティングゲームや、ブロックが猛スピードで
落ちてくるレベルになったときの「テトリス」などでも感じることができます。

 

 この状態は、普段は使わない動物としての「機能」を120%引き出します
から、非常に気持ちいいわけです。
 人間は、自分の体の能力を限界まで引き出すととても気持ちよくなります。

 体の機能を存分に使ったときに感じる快感を「機能快」といいます。


 とてつもなく早いスピードでなにかを処理するときは、「反射神経の機能快」
を味わうことができるわけですね。


●SPEED快楽2・テンポ

 人間は音楽を聴いたときに、精神の状態を「心臓のテンポより遅いか早いか」
で変える性質があるようです。

 例えば運動をすると心拍数が上がりますが、これを音で真似することによっ
て、それを聞いた人の心拍数を実際にあげることができるわけです。


 例えばバラードなどゆったりとした音楽を聴けば、気持ちは徐々にリラック
スしてきます。

 逆にテンポの速いハウス・ミュージックを聴けば、気持ちは徐々に高揚して
きます。

 このことはここで説明するまでもなく、テレビドラマや映画、ゲームで当た
り前に使われていますね。

 RPGのフィールド(全体マップ)では長い冒険を象徴するようにゆったり
したBGMが流れ、戦闘に突入すると緊張感と興奮を煽るようにテンポの速い
音楽が流れる。

 格調高さや荘厳さを表現するシーンでは、長い歴史やうっとりとした美しさ
のイメージ感じさせるために、ゆったりとしたクラシカルなBGMが使われる。
 壮大な物語を感じさせるときは、必ずといっていいほどオーケストラ演奏で
すね。

 逆に荒っぽさや活発さを表現するときは、鼓動の高鳴る動きのイメージを感
じさせるために、テンポの速いポップなBGMが使われます。


 このように感情を昂(たか)ぶらせたり、落ち着かせたり、微妙な感情の段
階をつけたいときは、使うBGMのテンポを鼓動のテンポを基準に変えるのが
いいようです。

 また、音色の選び方も、細かな振幅のある音色、例えばバイオリンやギター、
ボーカルなら宇多田ヒカルのように微妙な振幅のある声が、人の感情を刺激す
るようです。これは体感的に「一定でない音の揺らぎ」が、「リアルさ」を感
じさせるためのようです。


 音色というと、ダイレクトに鼓動音を音色にしたBGMを使っているドラマ
もあったりしますね。
 鼓動の音は孤独や怖さを味わったときに聞こえる音なので「気持ち悪い」と
感じる人が多く、主にホラーやスリラーで使われることが多いようです。

 経験とともに聞いた音を流すと、その経験が蘇ってくる(思い出す)という
ことですね。


●トレイラー(予告編)

 さて観客視点からのスピードの快楽の代表的なものというと、私は「トレイ
ラー(予告編)」を思い出します。

 特にアクション映画のトレイラーは、山場のカットが遅くても3秒以内にど
んどん切り替わり、BGMやSE(Sound Effect)も短い間隔で切り替わりま
す。

 アクション映画の映像は、爆発・カースタント・銃撃戦・体を回転させての
アクションなど、見せ場がてんこもり。

 セリフは決めゼリフのオンパレード、音楽はテンポの速いノリのいい曲のサ
ビ、それがすごい密度で切り替わる。

 こんなふうにトレイラーは作られますから、見ているほうはまず目を離すこ
とができません。

 「予告編ですげー面白そうだったのに、実際見たらつまんなかった...」

 よくそういう映画の感想を聞きますが、私は逆につまらない映画を面白そう
に感じさせる、トレイラーの完成度の高さに感心してしまいますね。

 この密度の高さを保った映画やゲームが出来たら...と、よく考えるのですが、
トレイラー映像の方法論は、ハデだけど脈絡のない音と映像を次々と切り替え
ていく、いわゆるデモ的なプロモーション映像から来ているので、実験的な作
品でない限りちょっと難しいかもしれません。

 ただ密度の点から言えば、最近のPV的なショートムービー復権の流れにそ
の可能性を感じられたり、ゲームでは重厚長大でなく、軽薄短小でもない、
「重厚短小」とでも言うべきゲームモデルの模索の中に、その可能性があるの
かもしれません。

 

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このページは、n2laboが2008年12月14日 19:05に書いたブログ記事です。

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