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SSV = Sex, Speed, Violenceの略
 本能的快楽3要素。

●VIOLENCE

 SSVの最後である今回は、「VIOLENCE」です。

 バイオレンスとは、「暴力」のことです。

●なぜバイオレンスがウケるのか

 暴力というと、家庭内暴力とか、ニュースで流されている傷害事件を思い出
す人がいるかもしれませんが、ここで説明するのはそんな現実感のある血なま
ぐさいものではありません。


 目を背けたくなるような猟奇的なレベルまでいくと大抵の人は引いてしまう
ので、多くのエンタテイメントで使われている暴力表現はもっとやわらかいも
のになります。


、例えばクンフーで殴ったり蹴ったり、銃をぶっぱなしたり、剣を振り回した
り、ガラスの破片がガシャーン! と飛び散ったりなど、危険な状況を表現す
ることで、緊張を煽る。

 これが今のエンタテインメントで主流になっている、無難なバイオレンス表
現です。アクション映画には必ずスパイスとしてバイオレンス表現が入ります。


 ではなぜバイオレンスはこうまで使われるのかというと...。

 人は「死」について恐怖の感情を抱きます。これは生命としての本能です。

 ゆえに「死」の周辺には緊張が渦巻いています。

 ですから、「死」を象徴する物体や、それに類する表現には非常に緊張する
わけです。ドキドキするわけです。


 エンタテインメントの基本は「人の感情を変える」ことです。
 バイオレンスはそれを表現をするだけで、いとも簡単にドキドキ(緊張感)
を作り出せますから、非常にお手軽なわけです。


●爽快さと生臭さの境界

 バイオレンス表現において爽快さと生臭さの境界になるのは、血や死体が表
現されたり、腕が取れるなど、身体が破壊されたときのディテールを表現する
かしないか、にあります。

 意図して強烈な生臭さを表現することで、名を上げる人もいます。

 例えば北野たけし監督。座頭市が侍を切るとブシューっ! と血が吹き出る。
あの表現は昔の時代劇からあって、故・深作欣司監督が好んで使ってました。

 それからタランティーノ監督。「キルビル」では人の首が取れたり真っ二つ
になったり。タランティーノ監督の作品はどれも非常に「痛み」を感じる表現
がてんこもりです。


 ゲームではやはり「バイオハザード」でしょう。ゲームシステムや演出も優
れていましたが、やはり全体に流れる暴力表現が、緊張感を高めていました。

 それから海外のゲームになりますが「ディアブロ」もそうですね。あのゲー
ムにはやたら死体が出てきます。


 ジャンルで言えば、特に海外のFPS(一人称視点のシューティングゲーム)
は緻密な表現が高い技術力で成されており、死体の表現もすごいです。
 どうすごいかは、「ソルジャー・オブ・フォーチュン」などを見てもらうと
して...。


 それから、全世界で800万本の大ヒットを飛ばした「GTA3」も、四肢
が取れたり爆発したり、世界観自体がインモラルであったりと、暴力表現で満
ち溢れています。


 結論として、血生臭いバイオレンスは売れます。
 (あまり声を大にして言いたくはないですが...)

 ビルゲイツが「ゲームにもっとバイオレンス表現を盛れ!」と言ったのも、
売れるからです。

 上記で述べた多くのヒット作は、結局バイオレンスの強烈さが爽快さに繋がっ
て売れている。

 これは誰も大きな声で言いませんが、暗黙の事実です。


●バイオレンス・バランス

 私は正直バイオレンスは嫌いじゃありません。

 「ダーティハリー」が極悪人をズドン! とやるのを見るとやはりスカッと
します。

 「ドラゴンボール」は毎週ページ数は少なかったけど、かなり「うおーっ!
どうなるんだこれ!」と思いながら読んでました。
 生死を賭けた戦いを見ると熱が上がってきます。

 ヒットするエンタテインメントがその基本に「緊張」を持っているのは、お
そらく間違いありません。


 バイオレンスで問題になるのは、その根底に流れる「思想の違い」だと思い
ます。

 例えば、単に売上が上がるからとか、興味本位で掲示板にグロい映像を流せ
ば、それはユーザーに不愉快な思いをさせるだけです。
 そこには利己的精神やな悪意がある。

 こういった短絡的な思想には、世間はとても冷たい。


 人間の世界において「死」は切り離せません。だから、それを逆手にとって、
バイオレンス表現を逆説的に「生」の価値を見出すことに使っている作品は、
非常に高い精神性を現し、多くの人を感動させることができていると思います。


 例えば、アカデミー賞を5部門受賞した「プライベートライアン」や、ユダ
ヤ人大量虐殺を題材にした「シンドラーのリスト」など、バイオレンス表現は
非常にきついものがありますが、その作品の真意は「生」の肯定です。


 バイオレンス表現に限らず、逆説的に使われる「悪意」があるからこそ、「善
意」はその輝きを増します。

 エンタテインメントに、現実的であれ、精神的であれ、必ず「戦い」がある
のは、「価値あるもの」の輝きを増すためなのです。

 バイオレンスがもたらす緊張も、「価値あるもの」を表現するための対極と
して表現されるのならば許されるのではないか、と思っています。

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