メイキング・オリジナリティ(7)

 

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●オリジナリティという表現

 オリジナリティについて6回に渡って書いてきましたが、最終回はオリジナ
リティの端緒を考えてみたいと思います。
 端緒というのは、いとぐち、きっかけということです。


 私が最初にオリジナリティのことを考えて思い浮かべるのは、


「個人の表現としてのオリジナリティ」


です。

売れるとか売れないとか、そういうのは最初に考えません。


 人は誰でもあるときに「ユニークでありたい!」「特別でありたい!」とい
う思いを抱くと思います(これが創造の始まりだったりします)。


 その発現として、自分が独自の存在であるということを表明するために、な
んらかの媒体でオリジナリティを表現しようとします。


 でも最初は表現の技術を持っていませんから、ほとんどの場合、模倣、つま
り「真似」から入るんですね。


 ゲーム作りでも、できたばかりの会社は、最初は無難によくあるようなゲー
ムの、よくあるような話、よくあるようなシステムを作って、まずは開発の流
れを固めようとすることが多いのではないでしょうか?


 私も最初は個人でシューティングゲームを作りました。
 ルールが簡単で、熱くなるシチュエーションがすぐ作れるし、作りながら遊
ぶこともできる。ゲーム開発のお手本としては最適だったわけです。


 どんなの作ったの? というと、当時好きだった「R-TYPE」と「雷電」
の合いの子みたいなゲームを作りましたね(笑)。
 いやー年代がバレバレですね(笑)。

(昔の記事を引っ張り出してきました...恥ずかしい)
http://www.n2gdl.net/magazine/vol31extra/rplusr.htm


 模倣を繰り返して、基礎的な技術を習得できると、次にやっとオリジナルの
の表現ができるようになる。


 そこでユニークさというものを表現し、独自性を出していくわけですが、こ
こで、必ず!! と言っていいほど、つまづくんですね。
 どういうことかというと...。


 「オリジナリティってなんだ?」ってことになるんです。
 わからないんです。オリジナリティというものが。
 で、ハマる。


 いつまで経っても、真似モノから抜け出せない!
 どこかで見たような、無難な線のものばかり作ってしまう。


 あがきはするんです。
 でも、目立とうという思いが先行して、単にハデで奇抜なだけのものを作っ
てしまったり。

 考えるだけ考えて、オリジナルなんていらないよ! どれも何かの真似なん
だから! などと虚無的に達観しちゃって、妥協しちゃったり。

 まだ技術が足りないんだ! と、いつまで経ってもオリジナルに取り掛から
なかったり...。


 じゃあどうすればオリジナリティのあるものが作れるんだ!? というと...。


 いくつかヒントになるであろうことを、このメルマガで書きましたが、もっ
と概念的に言うなら。


 「あなたというフィルタを通したものが、オリジナルである」。


 ということじゃないかと思います。

 どういうこと? さっぱり、わからない!


 はい。説明します。


 例をあげましょう。
 「ジョジョの奇妙な冒険」で有名な、荒木先生のマンガ(好きなんですよ)。


 荒木先生のマンガは非常に独特ですよね。
 オリジナリティの塊みたいなものです。


 特に「ババーーーン!」「ギャーン!」「ドドドド」などの擬音。
 倒れそうな人物のポーズ。
 やたら繰り返したり、決めゼリフのあるセリフまわし。


 なんとも奇妙...。
 ですが、これらにはちゃんと作られた経緯があるはずですね。


 擬音はどうしたああなったのでしょうか?
 それは、映画好きの荒木先生が、映画の緊張感の高まるシーンで使われる効
果音をマンガで表現しようとして、ああなった。これは本人談。


 ではポーズは?
 これは私の想像ですが、荒木先生がかっこいい決めポーズが好きで、マンガ
にそれを持ち込んだら、ああいう構図が出来上がったんじゃないでしょうか?


 セリフまわしは?
 これも想像ですが、荒木先生が映画の汚いセリフまわしや、しつこいセリフ
まわし、奇妙なセリフまわしが好きで、それをマンガに取り入れたら、ああなっ
たんじゃないかと思います。


 ここで肝心なのは、これらを生み出した「焦点」です。

 荒木先生は、映画を見てすごく気に入った描写があった。

 この「すごく気に入った」という部分は荒木先生独自のものです。
 映画を見て気に入る部分は人によって違うわけですから。


 この部分が、荒木先生だけが持つ焦点。
 荒木先生だけが持つ独自性。
 荒木先生だけが持つフィルタ。


 それを、自分の表現媒体であるマンガに落としこんだら、ああいう独特な表
現のマンガが出来上がった、というわけです。


 なにかをそのまま真似するんじゃないんです。


 荒木先生がしているのは、生活している上で、自分が強く感じたこと、自分
が特に気になったこと、自分が特に好きだと思うこと、それを表現物に落とし
込む、ということなんですね。


 映画を見たり、ニュースを見たりして、自分に質問してみてください。


 「自分が強く感じたことは?」

 「自分が特に気になったことは?」

 「自分が特に好きだと思ったことは?」


 そうすれば、あなたのオリジナリティが出てくるはず。


 ここで1つコツを挙げるとしたら、自分が表現しようとしている媒体と同じ
媒体からヒントを得ないほうがよい、ということでしょうか。
 なぜかというと、縮小再生産になりやすいからです。


 なるべくなら他のメディア、もっというなら自分の人生の実生活経験から持っ
てきたほうが、新しいアイデアになりやすい。
 それに自分の経験には強い思い入れがあるから、熱も入りやすい。


 自分に質問して、思い出しましょう!


 あなたのオリジナリティは、あなたの中にある。

 

 

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