コスティキャンのゲーム論・解説(1)

 

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ゲームのしくみの新田です。

 自分がビジネス絡みの「しくみ」をよく考えることもあって、これまではビ
ジネスに応用したサンプルも書いたりしていました。


 ですが、今回の「コスティキャンのゲーム論」に関しては、多少ゲームだけ
に特化した内容が多くなると思います。


(それでも、「人の感情を動かす」という根っこは同じですから、そんなに離
れることはないと思いますが...)


 ということでビジネス系の読み物として購読している方、ご了承ください。

●「はじめに」と「ゲームを分析する手法について」

 さっそく解説に入りたいと思います。


 コスティキャンのゲーム論(以下ゲーム論)では、「はじめに」でこのゲー
ム論が書かれる理由が書かれています。

 

 コンピュータゲーム、カードゲーム、テーブルトーク、スポーツ、乗馬など
も含めて、すべてゲームである、とし、それがどのように機能し、なぜ面白い
のか? それを分析する手法が必要である...。

(それは、面白いゲームを作り出すため、ですね)


 乗馬はゲームなのか? というところで私はひっかかりましたが、馬に乗り
操縦するという行為が、まず乗れたときに面白く、さらにうまく操縦できたと
きにある種の達成感を感じられたとしたら、それは「ゲームに似たものである」
と言えると思います。


 車の運転で100Km/hを維持して何秒走れるか? とか、要するになんでも目的
や目標をつけると「ゲーム的」になります。

 

 そこに「勝敗を決する」もしくは「成功・失敗を決める」という要素が生ま
れるからなんですね。

 

 ここらへんの「ゲーム」の定義に関する議論は尽きないので、とりあえず


「関わり方によって、どんなものでもゲーム的な部分を見出すことができる」


というところで置いておきます。

 

 コスティキャンはゲームを分析する手法について、「そもそもゲームとは何
なのか?」とゲームを定義しようとし、消去法によって、分析法を見出す前提
を得ようとします。


 ここでコスティキャンは、


「ゲーム」は、パズルではない

「ゲーム」は、玩具ではない

「ゲーム」は、ストーリーではない

「ゲーム」には、参加者が必要である


 という消去をしようとします。


 1つずつ見ていきましょう。


・「ゲーム」は、パズルではない

 コスティキャンはゲームデザイナー、クリス・クロフォードの言葉を引用し
て、パズルを、

 

「パズルは静的である。
 パズルが提供するものは、論理的な構造体だ。「プレーヤー」は、
 手掛かりをもとに、この構造体を解決しようとする」

 

 と説明します。


 論理的な構造体...ちょっとわかりづらいですね。

 わかりやすく言うと、ある制限下での、クリアに至るまでの「手順」だと思っ
てもらえるといいと思います。
(これもわかりづらいですね(笑))


 例えば、クロスワードパズルやジグソーパズル。


 クロスワードはクイズに答えることで解が出ますし、ジグソーパズルは絵が
出来上がるようにピースを組み合わせることで完成します。

 

 論理、つまり解を得るための手順が1つです。

 論理が単純なんですね。

 

 では「詰め将棋」はどうでしょうね?

 詰め将棋にはルールがあります。
 前にしか進めない歩、斜めだけの角、そして成りのルールなど(制限)。


 これらのルールに従って王将を取る手順を探すわけですが、ジグソーパズル
と違い、「解を得るためにすればいいこと」は1つではありません。

 ルールが、「解を探す手順」を複雑にしているんですね。


 このように、ルール(制限)の数が増えるほど、パズルは複雑になり、難し
くなっていきます。


 しかし、パズルであることの条件として、はじめから終わりまで、解までの
手順が変化しないことがあげられます。


 「こうやってこうやってこうすれば、必ずクリアできる」と、答えの導き方
が決まっているわけです。


 これは「解法が静的である」と言えますね。

 

 しかしゲームはそうではないんですねー。

 

 クロフォードは、


「これに対して、「ゲーム」は静的ではない。
 ゲームはプレーヤーの行動によって変化する」


 と言います。


 パズルは答えまでの道のりが変化しません。

 しかしゲームはプレイヤーの選択(行動)で答えまでの道のりが変化します。

 

 例えばですね、アクションゲームで、キャラクタが持っているのが剣であれ
ば敵に近づいて攻撃することになるし、弓矢を持っているのであれば、離れて
攻撃することになりますよね。

 

 要するに、ゲームはプレイヤーに複数の選択肢が与えられ、その選択したも
のによって解への道程が変化するんですね。

 またゲームの場合、クリアすべき対象がプレイヤーの選択で変わることもあ
ります。剣を装備したら敵が離れて弓矢で攻撃するようになった、とかですね。

 

 これは「解法が動的である」と言えます。

 

 これがゲームとパズルとの違いになるわけです。

 

 しかしながらコスティキャンの言うように、パズルとゲームの境界は曖昧で、
システムの作り方、ゲームバランスの取り方によってその比率が変わってきま
す。


 だから、「このゲームはパズル的だ」「このゲームはゲーム的だ」と言った
りできるわけですね。

 

    →「パズル」は静的であり、「ゲーム」はインタラクティブである。

 

 さて余談ですが、コスティキャンはこの項で重要なことを言っています。

 

「パズルの要素を全く含まないゲームがあるとすれば、ほとんど「探検」を行
 うだけのゲームがそれに相当するだろう」

 

 純粋な「ゲーム」は、探検を行なうゲームであろう、と言ってますね。


 私はこれを読んだとき、「そうか!」と気づきました。

 「自分がゲームにしかない楽しさだと思ったものは、実はここにあったんだ!」

と。


 では、ここでいう探検とは、いったいなにを指すのでしょう??

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