コスティキャンのゲーム論・解説(12)

 

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●情報

 コンピュータゲームにおける情報とは、広義に言えば以下を指します。


・画面上で確認できる視覚情報

・音声情報

・触覚情報(振動コントローラによる)


 狭義には「数値化されている」もしくは「名詞化されている」「シンボル化
されている」情報のことを指します。 

・画面上の数値パラメータ

・画面上の文字情報

・画面上のアイコン

・画面上のメーター

・キャラクタのオブジェクト(オブジェクト=物体)

・アイテムのオブジェクト

・等々...


 ゲームを作る際は、これらの情報がいかにプレイヤーのプレイをスムーズに
進ませるか考えます。


 また情報画面、情報ウィンドウを開く操作があるゲームの場合は、いかに情
報にスムーズにアクセスできるかを考えます。


 さてコスティキャンは、こういった情報をプレイヤーに与えるときに気をつ
けなければいけない事項を4つ挙げています。

 

●1・プレイに影響するような重要な情報はプレイヤーに必ず与えること

 例えば、戦争シミュレーションゲームにおいて、「天候」という要素がある
とします。

 しかしそれが説明書に書かれていなければ、プレイヤーはその天候がどうプ
レイに影響するかわかりませんから、「この天気の変化って、ゲームの演出?」
と思ってしまうかもしれません。


 また、説明書に天候の説明があっても、「今どんな天気なのか?」が画面上
で確認できないなら、プレイヤーはその天候をプレイの意志決定に使うことは
できません。


 そして説明書に天候の説明があって、画面上で今どんな天気か? が確認で
きたとしても、それが戦車の移動を遅らせるのか、戦闘機の戦力をプラスする
のかなど、「天候が実際にどう影響するのか?」が分からなければ、プレイヤー
はなんとなく意志決定をすることになり、その情報の意味は曖昧になります。


 ゲームプレイにおいて重要な情報は、「隠すことによって面白い効果がある」
場合でない限り、明確に数値情報・文字情報として、意志決定の際に材料にで
きるようにしましょう。

 

「重要な情報はちゃんとプレーヤーに教えるべきだ。そして、プレーヤーは、
微妙な意志決定を行う際に、充分な情報を与えられているべきである」

 

●2・情報は全て見せればいいものではない

 さてでは、「隠すことによって面白い効果がある」とはどういう場合でしょ
う?

 コスティキャンは「情報を隠すことがとてもうまく働く場合もある」といい
つつ、明確には述べていませんが、「推測」がカギになる場合が多いようです。


 つまり、「読み」ですね。


 例えば、マージャン。


 マージャンは相手の手牌が見えないゲームです。

 もしそれが見えていたら、「相手は次にどれで上がるのか?」が分かってし
まうわけですから、ツモ上がりでしか上がれないゲームになってしまいます。


 マージャンは、誰が先に上がるか? を巡って、相手の上がり牌を、捨て牌
や点数、そして相手の顔色を見ながら推測し、すり抜けつつ上がりを目指すか
ら、緊張感が走るわけです。


 「隠されているから」、その読み合いが発生するんですね。

 「隠されているから」、面白いわけです。


 さてマージャンにおける「推測」ですが、牌の種類が限定されているところ
に、「推測」の余地が出てきます。


 牌は144個と有限で、1種類につき4つしかありません。

 なのでいろいろな推測が可能になります。

 

 自分の上がり牌がどのくらいの確率で出てくるか?

 相手の上がり牌がどのくらいの確率で出てくるか?

 自分の揃えようとしている役は実現可能なのか?

 どんな役で上がりに向かえばいいか? などなど...。

 

 この推測ができるので、マージャンは単純な確率ゲームではなくなり、絶妙
な読み合いの面白さが出ているんですね。


●3・処理できる情報量にしておくこと

 画面上でプレイヤーに提示する情報は、適切な量にしておく必要があります。

 例えばRPGで、プレイヤーキャラの持つパラメータが100個もあり、そ
れが1つ1つ戦闘に影響するとしたら?


 とても1つ1つを見ているわけにはいきませんよね?


 それはプレイを進めるのに効率的ではないので(プレイヤーはプレイをサク
サクと進めたいんです)、おそらく最も影響しそうなパラメータ数個だけを見
て、ゲームを進めることになるはずです。


 この時点でそれ以外のパラメータは、ゲーム上で「無駄」ということと同じ
になってしまいます。

(というより、そんなパラメータ量のゲームは買わないと思いますが(笑))


 処理しきれない量のパラメータは無駄ですし、その無駄を作る側にとっても、
計り知れない作業の無駄が発生します。


 画面上にある情報は意味のある情報に絞り、まとめてプレイヤーに提示する
ようにしましょう。


 基本的に、意志決定に使う情報は少ないほうが、プレイヤーとってストレス
になりません。


 ただし、それが面白いかどうかは別です。

 プレイヤーの情報処理量ギリギリに近づくことが「面白い葛藤」を呼ぶ場合
もあります。


●4・目標に関する情報(ヒント)を必ず置いておくこと

 理不尽な情報は、プレイヤーに不必要な葛藤を与えることになります。


 私がゲームで「詐欺!」と思った最初は、ドラクエ1の「太陽の石」でした。


 今でこそ「あそこにあるんだよね~」と言えますが、当時は全然場所がわか
らず、全然関係ないところに「太陽の石」探しの旅に出たり、城内のタイルを
一箇所一箇所調べたりしたものです(笑)。しまいには壁を1つ1つ押してまし
た(笑)。


 当時一緒にプレイしていた友達も、「ないよ~ないよ~(涙)」と一緒になっ
て探していました。


 もちろんはっきりとある場所を書け! というわけではありませんが、せめ
て無駄足をせずとも探し出せるヒントが欲しかった...。

(そういえば、ドラクエ3にも「こんなところに隠れてたのか!」というNP
Cがいた覚えが。誰でしたっけ?)


 確かに見落としていたのは私です。

 しかしゲームの本筋とは関係ない部分でだったらちょっと意地悪な謎解きが
あってもいいと思いますが、本筋で必要なアイテムが何かが推測できなかった
り、強引な謎解きがあったりするのは、やめて欲しいものです。


  →ゲームを分析するときには、「プレーヤーに意志決定させるために
   どんな情報が必要とされるか。プレーヤーに適切な情報が適切なときに
   与えられるようになっているか。プレーヤーが考えれば必要な情報が何
   でありどうすれば手に入るか推測できるようになっているか」という点
   を考えなければならない。

 

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