
RPGなど、1本道のシナリオで終わるゲームも含め、
1つのゲームを「何度も」遊んでもらうには、いったいどんな
しかけを施したらいいんでしょう?
何度も遊んでもらうには...これは、宮本さんの有名な言葉がありますね。
「どうして失敗したか? それがわかると再挑戦性が高まる」
例えばスーパーマリオで、スピードを出しすぎていたために
カメにぶつかってしまった...そういう原因がわかると、じゃあ直前で
スピードを緩めよう、ということになる。
スーパーマリオに出てくる敵というのは、比率的にマリオを狙って
攻撃してくるものが少ない。
マリオと関係なく、各自勝手に動いているもののほうが多いんですね。
そうなると、プレイヤーがミスして敵にぶつからない限り、
失敗はないことになる。するとミスの原因は非常に明確になります。
ミスの直前のプレイヤーの行動が、ミスの原因だとはっきりするわけです。
こういうところに、宮本さんのゲームデザインの思想が現われていますね。
これが、カメがすごいAIで、ファイアボールを投げてもそれをひょいっと
避ける、などとなると、「どうしたらいいのよ??」と、攻略方法が
わからず、ゲームを投げることに繋がってしまう。
だから、開発側としては、わざと「攻略できる余地」をプレイヤーに
与えないといけないんですね。
敵の頭の悪さ(?)は、その余地となるわけです。
プレイヤーが取れる選択肢を想像できないと、ゲームは
投げられてしまいます。
●まだ見ぬ世界
もうひとつ、有名人による、何度も遊んでもらうには? の
考察例を挙げましょう。
知る人ぞ知るオタキングの岡田斗司夫さんが、ガイナックスに
勤めていたころゲームを作ることになり、「ゲームとはなにか?」
ということを、とりあえず決めなければ! という状態になりました。
さんざん考えた挙句、とりあえず決めたのは、
「ゲームは紙芝居である!」
ということにしたのです。
つまり、新しい絵、新しい物語の進展を見るために、プレイヤーは
ゲームをやり続けるのだ...という観点ですね。
そういう考えのもとに、「プリンセスメーカー」は作られ、
ヒットしました。
岡田さんは、もちろん稚拙な定義だということはわかっている、
しかし、まずは決めて進めるしかなかったのだ、と言っていました。
まずは決めてしまう、仮説を立てる、これ、大事です!
そして、ゲーム=紙芝居、これはあながち間違いではなかったんです。
逆に、これにフォーカスしたからこそ、成功した。
先にある物語、新しいマップ、新しい敵、新しいボス、新しい展開...
それを「期待」して、ゲームをプレイすることは多いのです。
今あるゲームのほとんどは、「新しいなにかを見ること」を期待して、
ゲームを進めていますよね?
もちろん「とにかくデータを詰めて間を持たせろ」的な、量ばかりが
多くて内容のない大規模ゲームを作れ、ということではありません。
(そういうゲームは多いですが)
データを詰めこまなくても、展開の新鮮さを作り出すことは可能です。
(これについては、サイトにて「セコンド・メソッド」で説明しています)
方法はどうあれ、「まだ見ぬ世界」を用意して、それを「期待」させる、
これはもう大昔から使われている、エンタテインメントの手法です。
まだ見ぬものという期待があるからこそ、人は惹きつけられる。
「強烈な期待」があれば、映画「マトリックス」や「スターウォーズ」、
アニメの「ドラゴンボール」のように、人々は次の展開を想像し、噂し、
その「じらし」に嬉しい悲鳴をあげるんですね。
ゲームも、RPGのシナリオやレベルアップ、RTSの「進化」による
予定された戦闘など、プレイヤーの期待を大きくするしかけがあります。
「強烈な期待」をどう作るか?
それは「セコンドメソッド」に譲るとして、そのような「期待」が
あればこそ、プレイヤーは多少辛いゲーム内容であっても、
先を見ようと「何度も」ゲームをプレイするんですね。

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