ワード・スピリッツ(3)

 

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●感情を喚起する言葉

 なぜか人は「感情」に大きな興味を持ちます。

 感情がよく表に出る人は、つき合っていて面白い。
 感情高い人はムードメーカーになるし、一緒にいてなぜか刺激を
受けるんですね。

それと、感情とセットになった言葉はよく覚えている。

 はじめて「ほにゃらら」したときを思い出して見ましょう。

・熱い「ほにゃらら」をはじめてしたとき
・緊張しながら「ほにゃらら」をしたとき
・はじめて「ほにゃらら」を感じた人に会ったとき

 「ほにゃらら」は適当に埋めてください(笑)。

 あ、なにかエッチなことを想像しませんでした?

 まあそれはいいとして、ほら、意外によく覚えているでしょう。
 絵とか音まで思い出しませんでしたか?

 テレビで見た、大事故。
 それを思い出すと、そのときの感情が鮮明に蘇ってきませんか?


 それからなにか決断をしたとき、感情が伴っていることが多い。

 「必ず!! あの大学に受かるぞ!!」

 「アルバイトしてお金を溜めて、絶対バイクを買うぞ!!」

 「明日、あの子に告白することに決めた!!」

 あなたには、そんなことを決断した体験はありませんか?

 感情は人生の転機を作り出します。


 このように感情は、人間の行動の重要なトリガーになっているようです。


●感情を引き出す言葉はどこにある?

 言葉には、感情が込められているものがあります。
 そういう言葉はけっこうありますよね。


 喜・怒・哀・楽、それぞれの文字に含まれている感情を、
あなたは意識できるはずです。


 それから、感情を五感の中の「視覚」「聴覚」で考えてみましょう。

 視覚。
 見たものにはいろいろな感情が残りますね。

 視覚で認識できるものは、すべて名前がついています。名詞です。
 「美人」とか「トイレ」とか「焼肉」とか。

 形容詞をつけるともっと具体的にイメージできますね。


 好みの美人を見ると「おお......素晴らしい......」という感情。

 汚れたトイレを見ると「ウエッ」という感情。

 ジュージュー焼ける焼肉を見ると「食べたい!」という感情。


 人は認識力の大部分をを視覚情報に頼って生きているため、
視覚で得た「名前のついているもの」に、多大な情報量を持っています。

 情報量が多いゆえ、思い出すときに出てきやすい。


 それから、動くものやに人は目がいきますね。
 たくさんあったり、動いていたり。大きかったり、小さかったり。
 これも視覚情報ですね。


 聴覚はどうでしょうか?
 音をイメージする言葉はたくさんありますよね。

 叩く、撃つ、殴る、壊す、切る。

 すべて、動詞からイメージできる音です。


 さてこのことから、なにが考えられるでしょうか?

 「名詞」と「動詞」で作られた文章に、人はは強いイメージを
持つ、ということが考えられると思います。
 これらの品詞には、感情が込められていることが多い。

 だから、コンセプトを立てるとき、名詞と動詞でコンセプトを
書けば、具体的なゲームのイメージが構築できる。

 曖昧な言葉、たとえば「気持ちよさ」をコンセプトにしたいとき、
名詞と動詞で、

・「敵を殴り倒す」気持ちよさ
・「敵を撃ち落とす」気持ちよさ
・「カードを揃える」気持ちよさ

などと表現すれば、より明確になります。
 あとは形容詞や副詞で飾ってみると、なおひきたつ。

 ゲームは視覚と聴覚を中心に遊ぶものですから、それらを
表現する「名詞」と「動詞」でコンセプトを具体化すると、ゲームの
方向性が見えやすくなります。

 感情を喚起する言葉は「名詞」と「動詞」に含まれている!

 コレ重要です。


●「思い出」をイメージしてもらう

 さて「名詞」と「動詞」が出てきたところで、もっとナマっぽい話に
移ります。


 人間がそれぞれ過ごしてきた環境は、もちろんみんな違いますね。

 だから同時に、言葉に込められた感情や記憶も、基本は同じであれ、
それぞれ微妙に違ってきます。
 微妙に違うどころか、かなり違うこともあります。

 例えば、おじいさんにとっては「戦争」という言葉は「死」や「別れ」
という事実を含む、非常に重いものかもしれませんが、
今の若者にとって「戦争」は、テレビの中だけの、ビデオゲームのような
ものかもしれません。


 要するに、言葉には「パーソナリティ」があるのです。

 言葉に込められた思い出は、みな違うということです。

 そしてこの「パーソナリティ言葉」には、パーソナル(個人的)なだけに、
非常に強い感情が込められている。


 ゲームで使われている例を見てみると、まずは「プレイヤー名」。

 プレイヤーキャラに自分で考えた名前をつけてもらうことで、感情移入を
促す手法です。

 実際、ゲームの中で自分がつけたキャラクタ名は、あなたもよく
覚えているのではないでしょうか?

 そして、継続的に同じ名前を使っていませんか?

 ゆえに、その名前にはいつしか思い入れができている......。

 これはペンネームとか、ハンドルネームでも同じことです。
 誰でも自分をあらわす名前には、非常に強い思い入れがある。


 それから、ちょっと昔になりますが、SCEの「どこでもいっしょ」。

 このゲーム(?)では、プレイヤーが好きな食べ物、嫌いな食べ物など、
ありがちなもの以外にも、いろいろなパーソナルデータを取り込んで
記憶します。

 友達の名前、親の名前、出来事、そういった強い感情を含むものも
取り込みます。

 なので、これらの言葉をプレイ中に使われたときに、蘇る。

 プレイヤーが持っているさまざまな記憶が、感情とともに蘇るんです。

 さらに、ゲーム中のキャラがそれを変に解釈したりする。

 だから、それが非常に面白かったりするんですね。


 「パーソナリティ言葉」は、かなり有効な感情移入の手法ですが、
まだまだゲームで使われていません。

 キャラクタゲームだけでなく、RPGで友達の名前を最初に入力させて、
それが実際にゲーム中に出てくる......みたいな感じで、プレイヤーの
パーソナルデータがゲーム中に散りばめられて出てくるなんてアイデアも、
けっこういけるのではないでしょうか(友達の名前は、任天堂の「マザー」
がやってましたね)。

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