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私はそのとき、ゲーム開発でメイン企画を務めていた。

 「画面配置物はわたしが配置したいので、画像データの保存ファイルを
もらえますか?」

 画面配置物とは、体力ゲージや得点など、ゲーム画面の一番手前に
配置される情報のこと。

 その画像データをくれとの、プロデューサーからの要請だった。

 ばかな! ありえない!

 私は2つの意味でありえない! と思った。

そういったデータはグラフィックデザイナーが作成の管理責任を
持つのであって、デザインを担当外の人の手に
ゆだねるなんてありえない!

 画面配置物をなんの考えもなく(おそらくデザイン重視で)
配置するなんてありえない!


 私は要請を受け入れられない理由を説明して、
なんとか納得してもらったのだった...。

     *     *     *     *

 さて、1つめの理由は担当の問題なので置いておくとして。

 2つめの理由には、実はゲームデザイン的な理由があります。


 私が画面上になんらかの情報を配置するときには、

 「左回りの法則」を使っています。


 人にはなぜか、左回りを好む、という習性があるのです。

 例えば、スポーツ。
 陸上競技のトラック、スピードスケート、野球のベース、
すべて左回りですね。

 ギャンブルでいうと、競馬、競輪、競艇、みんな左回りです。

 F1などカーレースもだいたいコースは左回りです。

 文字を横に書くときは、左から右に文字を書きますね。

 本屋で本棚を見ると、重要な本は左側から右側に並べられる
傾向があります。

 人は道路で交通規制をしないと、自然と左側通行になる
傾向があるというデータもあります。

 どうやら人は左から右に目線を移動させる傾向があり、
左回りの方を右回りより好む傾向があるのです。

 この法則は実際にビジネスの現場でも使われていまして、
デパート、スーパーでお客の動線(巡回経路の線)を決める
ときは、その流れが左回りになるように、売り場の位置を
設計していると聞きます。

 厳密に言うと、「左下」からの左回りです。

 だから、ゲームで画面上になんらかの情報を配置するときは、
「左下に一番重要な情報、それから左回りに、重要度の高い
情報」と、配置していくことになります。

 では、ダンジョン(地下迷路)のあるゲームを
作るとしたらどうするでしょうか?

 人は壁にぶつかると、右に曲がって壁に左手をついた形で
左回りにダンジョンを移動しようとします。

 ですから、やさしいダンジョンではその法則に沿えば
出口に行くようにし、難しいダンジョンでは法則と
逆の分岐をいくつか用意するようにダンジョンを設計すれば
いいことになります。


 なんらかの空間デザインをする際は、「左回りの法則」を
考慮にいれてみてください。

 より人にやさしいインターフェイスを作ることができるでしょう。

 

 人の習性、クセ。

 人は捉えどころのない生き物に見えますが、実は一定の習性があります。
 それをうまくとらえて、気持ちのいい空間を作る!

 ゲームはそういった小技をスパイスにして作ると、
よりゲームデザイン的にディテールの深いものができると思います。

 といいつつ、私も修行の身なので、「それ、変でしょ!」と
言われながら、意見を戦わせる毎日です(笑)。

 企画の現場は、いかによい企画を作るかも重要ですが、それにもまして
コミュニケーションする技術が非常に大切になってくるんですよね。


・いかにスタッフに納得してもらいながら仕事を進めるか。

・いかに人間関係の悪化を防いでいくか。

・そしていかにスタッフを盛り上げていくか。


 なかなかうまくいかないことも多いですが、ディレクターの使命。

 技術と人間的能力のトータルが、結局はその人の「資質」になると
思います。頑張らねば。

 


 

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